現場で役立つエクセル操作【応用編】(その5)

 エクセルに限りませんが、複数メンバーでひとつのファイルを共有することがあります。一般には、社内や現場でファイルサーバー・共有ドライブを用意し、そこを介して読み書きすることで最新版管理を行います。現在のIT環境でも、これはあまり難しくないでしょう。

 ところが、社外の人と共有すつとなると、途端にハードルがあがります。メールのやり取りではどちらが最新か戸惑ったり、ネットに公開する共有フォルダをつくるのは技術的にもセキュリティ的にも大変です。また、容量が大きくなると、メール添付もできなくなります。

 そこで、使っていただきたいのが

 Microsoft Office Live Workspace

です。これはマイクロソフトが提供するネットサービスですが、無料IDの登録とアドインソフトを導入することで、簡単に共有をはかれます。

 

 具体的には、まず、Windows Live ID(Yahooなどと同様、無料で登録できるマイクロソフトのID)を取得し、Office Live Workspaceのページにサインインします。すると専用のネットフォルダが閲覧できます。分かりやすいフォルダ名を作って、そこに共有したいファイルをアップロードします。これでネット上の準備は完了しました。

 次にOffice Live Updateというものを入手します。これは、エクセルなどのオフィス製品にOffice Live Workspace への入口を用意するものです。導入すると、エクセルのツールバーにWorkspaceに保存するためのアイコンが追加されます。(2007はメニューが追加されます。)これでエクセル側の準備が完了です。

 そうしたら、追加されたアイコンの開くボタンを押します。LiveIDを入れるとアクセス可能なフォルダが開き、そこから編集したいファイルを選びます。同様に、保存したいときはアイコンの「保存する」ボタンを押すと、WorkSpace 上にあるフォルダに保存できます。

 最初に上記の準備をするのがちょっと大変ですが、出来てしまえばファイル共有はとても簡単になります。

 Office Live Workspace の機能は、これだけではありません。出先で確認する際にソフトがない場合、アクセスだけで閲覧が可能です。また、保存可能容量が5GBあるので、バックアップ的な使い方も出来ます。PDFも保存可能です。さらにサーバー側がウィルスチェックを行っており、ウィルス感染したファイルはアップロードも出来ません。

 便利な機能ですが、欠点もいくつかあります。ひとつはWindowsXP以降でないとだめなこと。Windows2000では、officeが2003以降でも使えません。もうひとつは(ネット上にアクセスに行く関係だと思いますが)、エクセルの立ち上がりが遅くなることです。最近のパソコンを使っている方にはほとんど影響ないでしょうが、共有メンバーの中に該当環境を持っている方がいると使えなくなりますので、ご注意ください。

 「ネット上でファイルを共有したいが、セキュリティが心配だ。」「知らない会社のサービスはどうも・・」と、しり込みしていた方、ぜひお試しください。自分一人であっても、会社と出先、自宅など、どこでもファイルを入手できる感覚は手離せなくなると思います。

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