規則、規程、規定、規律、規約、規準、基準、要領

今回は少し変わった話で、ルール作りの際の言葉についてお話します。

タイトルにあるように規則、規程、規定、規約、規律、基準、要領といった感じで、ルールをまとめるときに使う言葉はいろいろあります。どれを使ってもダメではないですが、一応意味が違うので、知っておくのもいいと思い、お話します。

いろいろな書類に使われている用語

ISO関連でいうと基準があって、規程があって、要領がある感じだと思います。品質管理基準、文書管理規程、作業要領といった言葉は聞いたことがあると思います。

労務関連だと規則と規程、規定、規律、規準があって就業規則、賃金規程、罰則規定、服務規律、倫理規準といった感じでしょうか。これ以外だと規約という言葉もあって、自治会規約とか、サービスの利用規約、コーディング規約といった時に使われます。

使われ方で何となくイメージできたかもしれませんが、個別の意味を少し説明します。

規約、規定、規程

規約は団体や利用者全体の決まり事やルールをまとめるときに使います。英語だとTerms and Conditionsとなり、条件と同意してもらいたい事柄といった感じになるそうです。

規定と規程はかなり微妙な使われ方をしますが、ここの決まりごとが規定でそれをまとめたものが規程というのが基本ですが、あいまいな使い方をしているので、罰則規定といった言葉もありのようです。規定はstipulationかregulation、規程はregulationsらしいので、単数と複数という点では単一とまとめというのはあっているのかもしれません。

規律、紀律、規則、細則

規律はこの中では少し変わっていて人としてあるべき態度といった感じで、しつけ的な要素があります。英語だとdisciplineなので好き勝手やらないという感じですね。ちなみに紀律というのも同じ英語ですが、少し上から目線的な時に使うようで、官吏服務紀律といった例がありますが、あまり使わないと思います。

規則は、基本的な決まり事といった時に使いますが、英語では、rulesで、先ほどの規程に比べると少し拘束力が緩い感じがします。とはいえ、就業規則は守るべき大事な決まりごとなので、この際はrulesではなく、regulationsの意味での規則だと思います。ちなみに英訳だとwork rulesと記載していることもあるので微妙です。

ちなみにさらに細かい決まり事を記載するものとして細則というのがあります。英語だとdetailed rulesですが、規則の細かい説明というよりは、規程・規程の細かい説明に利用されるようです。

規準、基準、要領、要綱

規準と基準も微妙な使われ方をしますが、英語的にはcriteriaとstandardといった感じです。表現が難しいですが、規準は模範・手本とすべきものといった感じで、基準は比べる時にもとになるものといった感じで、質的なものと量的なものを評価するといった使い分けをしているようです。とはいえ、システムでの決め事やマネジメントのほうであれば、基準の一択のような気がします。

ほとんどが読み方が「き」で始まっている中で要領を入れたのは英語だとmanualとなるISO的に一番よく使う言葉だからです。実際は○○マニュアルと表現し、日本語だと○○手順書と書いてしまうことが多いので、○○要領書という表現は少ないかもしれませんが、覚えておいてもいいと思う言葉です。

これに近い言葉として、要綱がありますが、こちらはどちらかというと概要的なまとめを示す感じで、英語でもoutline,guidelineがあてられることと官庁的な用語なので、あまり使わないかなぁと思います。

少し言葉遊び的なお話になったかもしれませんが、意味を意識して、会社全体でルールや約束事を決めておくと納得感は高まるのではないかなと思い、お話しました。ご参考になれば幸いです。

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