前回に引き続きBIツールを紹介します。
前回はBIツールの分類方法をお話ししましたが、今回はもう少し機能的な話をしたいと思います。
BIツールの要:データ連携
BIツールの重要機能のひとつは、データ連携です。中小企業であればエクセルやCSVといったファイルの取込が主流かもしれません。古い基幹システムだとCSVが何とか出るぐらいといったパターンは大きな企業でも少なくないのでファイル取込は必須機能です。
ファイルは手動で取り込むことも可能ですが、特定フォルダに入れておくことで自動で取得するような設定もできるツールがあります。保存の際にそのフォルダを指定できるに業務ルールで決めておけばとても楽です。
ほかにも他のシステムとデータ連携をできるような仕組み(API)があれば、簡単にしかもリアルタイムに近い形でデータを取り込むことが可能です。あえて、近い形と表現したのは、データ接続に料金がかかるケースやシステムの負荷軽減で接続規制をかけている場合があるため、1時間に1回といった感じで接続回数を制限する必要も出てくるためです。
また、取込時に特定のルールでデータを加工したり、複数列を結合して1つの情報に、1列を複数に分割して、複数の情報にといったデータ加工も初回の設定だけであとは自動といったことも可能になります。
また、マスタデータとのデータ結合により、記号情報しかなかったデータに商品名や価格といった情報を連携させることも最初の設定だけで可能になります。毎日、毎週行う作業であれば、その作業の負担軽減は大きなものになるのはいうまでもありません。
他のデータ連携の勉強にも使える
受注EDIのように同じ情報を取り扱っているはずなので、微妙に形式が異なっていたり、表現や項目の並びのずれが業務の大きな負担になることが少なくありません。これらも統一した形式に変換し同じ形で評価できるのもありがたいです。
本来はETLツールが基幹システムにあれば、こんなことは気にしなくていいのですが、古いと機能的にないため、BIツールを使って初めて、こんな風に統一できるんだと気付かれる企業担当者もいます。データ連携による加工機能だけでも一見の価値はあると思うので、ぜひ試してみてください。
◆Yellowfin
https://yellowfin.co.jp/
オーストラリアのYellowfinが提供するBIツールです。機能は豊富で、データ連携も可視化、分析手法も多くあります。自動分析による異常値のアラートも可能です。
◆データ統一クラウド
https://www.srush.co.jp/products
Srushが提供するデータ基盤ツールです。500以上のツール、サービスと連携することができ、ETL機能で必要なデータを抽出できます。別サービスのSrush AIで分析支援もできます。
◆Actionista!
https://www.justsystems.com/jp/products/actionista/
JustSystemが提供するオールインワンBIソリューションです。企業内でよく使う集計・分析手法をプリセットしているので、直感的な操作がしやすいようです。
◆Exploratory
https://ja.exploratory.io/
本社はアメリカですが、日本の技術者が起業したExploratoryの提供するサービスです。データの民主化をミッションにデータの加工、可視化、分析、レポート作成ができるサービスです。学生、教師向けや公開してもよいものは無料で使えます。
◆Motion Board
https://www.wingarc.com/product/motionboard/index.html
ウイングアーク1stが提供するBIツールです。様々なデータ連携ができ、可視化も地図表示等豊富な表現方法があり、アラート機能等利便性も高いです。