会社でのスマホ利活用(その14)

前回に引き続き、会社でのスマホの利活用についてお話します。

前回は、現場の写真管理についてお話しましたが、今回は同じく重要な図面共有についてお話します。

現場での図面ニーズ

図面を現場や外出先で確認したいことはよくあります。発注者や協力業者の打合せ等はもちろん、現場での検査や仮設計画の準備調査など、多種多様なニーズがあります。

以前であれば、必要なA1図面をA3に縮小して持ち歩いていましたが、こうすると欲しい図面を忘れてしまうことがあり、必要もないのに全図面を見開きA3になるような書類を作ったりもしてました。

仮設図面や重機配置図面などは書換が発生することが少なくなく、最新版管理が大変で、苦労した方も少なくないと思います。

今もまだまだ紙図面が多いですが、電子図面も増えてきました。この時に活躍するのが閲覧アプリによるスマホでの閲覧です。できればスマホでは小さすぎるのでタブレットでの閲覧がお勧めです。

先ほどの仮設図面や配置図面などは最新版をオンラインストレージや外部から閲覧できるファイルサーバーに入れておけば、いつでも最新版図面を見ることができます。これはとても便利です。仮に必要な図面が現場でないことに気づいても事務所にいる誰かに送付や特定フォルダに入れてもらえば、わざわざ戻らず見ることができるので生産性は格段にあがると思います。

ファイル形式と閲覧アプリ

ここでポイントになるのがファイル形式と閲覧用アプリです。著名な図面ファイル形式だとAutoCADのDWGファイルとJW_CADのJWWファイルだと思います。これ以外だとDXFファイルですかね。

これらすべてを閲覧できるアプリはありませんが、DWG、DXFもしくはJWWを閲覧できるアプリはあるので、それらを利用すると簡単に現場で図面閲覧が可能になります。アプリによっては測距機能があるので、寸法が表示されていない部分の数字の確認もできるのは、大変助かります。

一方で、紙図面の電子化というとほぼPDF化一択ではないでしょうか。なかにはDocuWorksという場合もあるかもしれませんね。どちらもスマホ用アプリはあるので閲覧に困ることはないと思います。

CADデータのPDF化は画層(レイヤー)出力必須

ただし、PDF化したデータが元々CAD図面だった場合は、様相が少し変わります。それは画層(レイヤー)の管理です。CADデータのメリットの1つに画層(レイヤー)のオンオフにより必要な情報だけを画面に表示できる機能があります。

残念ながら、純正のAdobe Readerはパソコン版でしかできませんが、他のアプリでスマホでも利用できます。これができると鉄筋図面で特定の鉄筋だけ表示するとか、躯体だけ表示するといったこともできますし、設備図と構造図を重ねておいて必要に応じてオンオフすることで干渉チェックもできます。

AutoCADであれば、PDFオプションで画像情報を含めるチェックを入れて出力すれば、画層の切替ができるPDFが出力できます。JW_CADはそのままでは無理なので、JWtoPDFのような専用ソフトを導入してもらい、レイヤー情報を含んで出力しておけばOKです。

自社で図面データがあって、出力する場合はこれでいいのですが、発注者や協力業者からデータをPDFでもらう時にはせっかく元データが図面データなのに、画層(レイヤー)情報が欠けていることが少なくありません。

改ざん防止のためにわざわざPDF化していることが多いのですが、そこまで利便性を落とすのは考えモノです。ぜひ、設定やソフトを紹介して、画層(レイヤー)付PDFにしてもらいましょう。

まだまだ、図面に関しては、紙データも少なくなく、電子データでも上記のように改ざん防止でPDF化といったことがあります。この辺りの電子化が進まないと日本の建設業のIT化は進みません。少しでも利便性をあげる工夫(紙から電子PDF、電子PDFからCADデータ)を周りを巻き込んで、どんどん進めてみましょう。

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