現場で役立つエクセル操作(その5)

 前回、セルの書式設定の説明をしました。今回は条件付き書式についてです。意外とご存じない方が多いようですが、実はこの機能はエクセル97の時か
ら提供されています。
 
 周知されていないのには、いくつか理由があるようです。
 ひとつの理由としては、使用法がよく分からないことです。例題としてよく挙げられているのは、特定の文字が入っているものに色つけるとか、ある値を超えたものに色をつけるなどです。しかし、これならば、IF分で○×ができる枠を設けることと大差ありません。むしろモノクロプリンターで印刷するのには、色つきより○×のほうが望ましいときもあります。

 二つ目の理由としては、使い方が少々難しいことです。条件としては最大3つ使える上に、数式が入力できるのでかなりのことができるのですが、それゆえ使いこなせないというのが実情のようです。

 では、どのような場面で利用するのがよいでしょうか
 

ひとつは、入力規則が使えないところ、つまり、答えのチェックです。特定の範囲(受注目標なら何件以上とか)でないと不可とする答えがある場合などで、不可ならば結果が赤色の背景になるというのどうでしょう。

 入力側においても、少し関数を覚えれば使うことができます。たとえば、未記入で黄色の背景が出るようにしたい場合は、入力セルを選んだ後で[書式]?[条件付き書式]を選び、出てきたダイアログボックスの「セルの値が」を「数式が」に変更します。そして、隣のボックスに

 =ISBLANK(B1) (対象セル番号がB1のとき)

と 入れましょう。次に書式のボタンをクリックし、パターンで緑を選んで、OK,OKとすれば完了。対象セルが黄色になっているのが分かります。そこに文字を 入力してみると、色が消えます。記入箇所はわかるようにしたいが、記入後には色が消えているほうが望ましい書類などを作るのには最適で す。(ISBLANK関数は空白だと正を返す関数です。)

 これは、不具合の検査報告書等でレベルを表示する場合にも使えます。例
えば、不具合0件は緑、?5件は黄、5件以上は赤、のように3段階表示するなど。もちろん、IF分の組み合わせで○、△、×としてもよいですが、画面上で見るなら色つきのほうがわかりやすいですね。

 私がよく使うのは、土日に色をつける月報。日付が入ったセルを参照して色をつけます。つけたいセルを選んだあとに[書式]?[条件付き書式]を選び、出てきたダイアログボックスの「セルの値が」を「数式が」に変更して、となりのボックスに

 =WEEKDAY($A$1)=1 (日付が入っているセルがA1のとき)

と入れましょう。そして、書式のボタンをクリックし、パターンで赤を選んで、OK、OKとすれば完了。日曜日のときだけ、赤になります。土曜日にも塗りたければ、条件を追加して、

 =WEEKDAY($A$1)=7 (日付が入っているセルがA1のとき)

とすれば、土日ともに色が付きます。(土曜日は青にしてもよいでしょう。)

 ここで大切なのは、式がある条件を満たしたい場合、関数の後に比較演算子(<、<=、=、>=、>、<>)を使うことです。(上記の記号の意味は順により小さい、以下、等しい、以上、より大きい、等しくない)
条件付き書式なので、条件を満たすかどうかの判定式を入れる必要があります。そのためにこのような表現になるのですが、先ほど使い方が難しいといったのは、この判定式を作るアイデアがなかなか習得できないためです。

 さて、上の例は1箇所だけに日付を入力した場合でした。連続して一方向に日付があるものでは、上記の参照を少し変えます。 例えば、A列の縦方向に日付が入っている場合、式を

 =WEEKDAY($A1)=7 (日付が入っているセルがA1のとき)

とします。変化させたくないほうに$をつけるのです。あとはそのセルをコピーした後、同じように色をつけたいセルを選んでから形式を選択し、貼り付けで書式をクリックして貼り付けましょう。すると毎土曜日だけ色が付くことがわかります。

 以上、説明してきましたが、比較演算子と参照が使えないと、この機能の応用は難しいものとなります。次回はこの演算子と参照の話をしたいと思います。

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