書類の4S(その7)

前回までに書類の4Sについてお話しました。今回はまとめといった感じで振り返りながら、記載不足の点を補足します。

まとめなので、全体を通して必要なものを振り返っていきます。まず、基本となる書類一覧です。

書類一覧表

準備では項目名として書類番号(バージョン付き)、書類名(一般名称)、書類名(社内名称)、管理部署、利用部署、利用時期、利用頻度、法令対象(法令名)、相手先書式(相手先名)、保存義務、備考をお話しました。

これに、整理での廃版を追加して、廃版した年月日を入力します。さらに、整頓でのECRSによる統合で特定時期から使わなくなったものは統合を追加して、統合先の書類番号を記載しましょう。できれば、統合先側にも統合元の書類番号を記載しておくと便利ですが煩雑になるなら上記の作業だけでもOKです。

廃版書類と統合元書類は今後は使わないのですが、過去の実績を確認する際に必要になる場合があるので、年に一度、別の一覧に移し替えておくことをお勧めします。

また基幹システム等の中だけで管理するシステム内書類がある場合は、システム内書類とエクセルのような電子書類、紙書類を分けて表示できるようなの書類形態の項目もあったほうが便利です。

廃版・改訂基準、コード基準

次に廃版・改訂基準、コード基準といった基準の整備です。廃版基準は管理部署を書類目的を確認する時期やその際の手順を記載し、改訂基準はECRSの流れで見直しをかける手順です。

コード基準は検索用に設定した工事番号・案件番号や社員番号、工種といった番号の一覧です。コードが有意コード(コードの記号に意味がある)の場合は、その説明もきちんと載せておきます。

これらを共有フォルダやグループウェアでの基準一覧ページといったところに1か所に集めて最新版を保存してください。また、コード基準は書類策定時に参照しやすいように、対象コードを絞って各記入要綱にも入れておくと作成者が助かります。

記入要領・記入例

次が記入要綱や記入例です。こちらも同じフォルダや一覧に入れておくと同時に各書類のテンプレート(白紙)が入っているフォルダにも入れておきましょう。電子書類の場合は、同じシートや最後のページ、紙の場合は、書類がある場所にラミネート加工しておいておくといいでしょう。

書類委員会

最後に書類委員会と社員教育の内容をまとめます。書類委員会は参加メンバーと開催時期、主な作業内容を記載します。特に作業内容は単に改訂・廃止だけでなく、改訂・廃止の具体的な検討内容の記録と承認、配布(主に管理者以上)と書類一覧の更新と関係者への周知(主に作成者・承認者)、新人等への教育を行うことを明記しておきましょう。

社員教育については作成者となる新人教育、中途採用教育で、どんな書類がどこにあり、何を見て記載すればよいかの説明を行う段階と承認者としての管理者教育で何を管理して、どのように保管するべきかとを分けて教育します。対象者に応じた教育にしないと身につかないので、注意してください。

書類は会社規模に関わらず、一定数の種類があるため、管理が大変です。社内書類はできるだけシステム内で管理して、帳票として独立しない形にしていくことがよいです。社外書類はやむを得ないのですが、こちらも電子データが正であくまで、提出時に出力するといった形にすると管理負担は軽減されます。

ただし、項目改廃が難しくなるといったデメリットもありますが、項目改廃がありそうな帳票は、ローコード・ノーコードアプリで作成するといった方法で対処できるので、作るシステムを分けて考えるのもありだと思います。

会社の規模や体制上、上記の基準策定や委員会設置が難しい場合は、書類一覧だけでも作ってください。これだけでもだいぶ管理がしやすくなりますよ。

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