書類の4S(その3)

前回に引き続き、書類の4Sについてお話します。

前回は書類の4Sの準備編についてお話しました。今回は整理についてです。

一覧表で整理の検討(廃版基準)

準備編で一覧表を作成したと思います。記載項目として、書類番号、書類名(一般名称)、書類名(社内名称)、管理部署、利用部署、利用時期、利用頻度、法令対象(法令名)、相手先書式(相手先名)、保存義務、備考といった感じで記載できていればOKです。

整理をするにあたってはこの表を使いながら検討していきます。段取り八分、仕事二分といいますが、この一覧表の精度が整理のカギになるので、必要に応じて関係者で見直してもらい、精度を高めておいてください。

さて、4Sにおける整理は、「いるものといらないものを分けて、いらないものを処分すること」です。つまり、書類の整理は書類の廃版処理ということになります。

廃版処理といっても、今までの書類は基本そのままです。一般的には年度初めまで使って、その後使用不可にするといった流れになると思います。システム目線でいうとシステム化しない書類ということになります。

そのために、最初にやることは廃版基準です。基本的には社内書類と社外書類に分けて、基準を策定し、その基準に従って、廃版にしていきます。基準といっても廃版の根拠なので、一覧表に廃版理由という項目を作成し、メモ的なものを残すのでもいいです。基準書的なものは後でまとめます。

社外書類の廃版

社外書類は相手があるものなので、難易度は高い気がしますが、営業や出荷といった相手先企業の担当者経由で確認してもらいましょう。

廃版とはならないにしても、コード化されて一部の項目が不要だったり、そもそも違う帳票に変わっていたのを担当者が気づいておらず、古い帳票で提出していたということも少なくありません。

「実は変更すると困るかなと思い、言い出しづらくて受け取ってました」なんて話もたまに聞きます。問合せの際に切り口として内容的に違和感がある項目があれば、相手先に確認してみるといいと思います。

社外書類のうち、法令対象になっているものは、廃版にできないと思いがちですが、最近はペーパーレス化が推奨されており、廃版にはなっていないものの将来的になる予定で、電子書類に置き換わっていることも増えてきています。

知らないうちに移行措置期間に入っていて、期間終了まであと少ししかないといった笑えない話もあります。定期的に管理している官公庁のサイトを見ればいいのですが、なかなか難しいと思うので担当部署に問い合わせてみることをお勧めします。

その際に帳票が変わったかと聞いても、よくわからない回答が来ると思うので、対象の書類が電子化かされたかどうかと、最新の帳票を見せてほしいと聞いて、自社で現状扱っている帳票との違いを確認してください。

提出機会を減らすとか、複数の帳票を一つにするといった整理も行われていることがあるので、関連している帳票をまとめて確認し比較する方がいいかもしれませんね。

社内書類の廃版

社内書類は、利用部署、利用時期、利用頻度を基準に廃版を検討していきます。上記の一覧でいう管理部署が含まれていないのは、管理部署は意外とその書類の目的が把握できておらず、ただ、作成・記載されているかどうかと保存保管をするためだけに書類を見ていることが少なくないからです。

まずは、利用部署に対象書類の目的をヒヤリングしてください。準備の段階でこれを行わなかったのは時間がかかりすぎて書類の全体像を把握するのが遅れるのを避けるためです。準備の時点で確認出来る場合はそれでもOKです。

目的が不明瞭だったり、一時的なものであれば廃版対象です。頻度の少ないトラブルやクレーム、一時的な幹部の思い付きでできた帳票が漠然と残っている場合があるので、それを廃版しましょう。

廃版とはいかないが、頻度が少なく、利用価値が少なそうなものは次の整理で見直すので、見直しマークを入れておくのもいいと思います。書類の種類数によっては大変な作業ですが、丁寧に進めてください。

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