書類の4S(その4)

前回に引き続き、書類の4Sについてお話します。

前回は書類の4Sの整理についてお話しました。今回は整頓についてです。

前回、不要な書類を廃版にすることと次回以降もスムーズにできるように廃版基準を決めることをお話しました。今回は、選ばれた書類の中身をきれいにする整頓を行っていきます。

書類の整頓(項目・レイアウトの見直し)

中身をきれいにするといっても、きれいな紙で印刷するとか単に電子化するという意味ではありません。項目の見直しとレイアウトの見直しがメインとなります。

まずは、項目の見直しですが、ECRSの手法を利用します。ご存じのない方に簡単に説明すると「Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素)」の4つの頭文字をとった業務改善の手法のことです。

具体的には、不要なものを取り除き、一緒にできるものをまとめたり、順番を並び替えたり、簡単にしたりします。業務改善で使う手法ですが帳票見直しにも使えます。ちょっと順番を変えて利用しましょう。

項目の統合

まずは統合です。とはいってもこれは同時期ぐらいに出す帳票を一つにできないかということです。前回の帳票一覧表をもとに、同時期に作成者と利用者が同じ帳票を一つにできないか検討します。項目が多すぎるから分割している場合もとりあえず、統合候補に入れておきます。あとの作業で入力項目が減る可能性があるからです。

統合の際に時期の見直しもしましょう。同時期に書けるのに帳票が分割されていたために時期が分かれているケースもあります。入力する項目の記入タイミングも確認し、整理してください。

項目の削除

お次は、不要な項目を取り除きます。帳票に不要な項目はないと言われそうですが、よく見るとところどころに未利用な項目があることは少なくありません。承認不要になった帳票に承認欄があったり、ほとんど記載のないメモ欄、以前は必要だったが今は不要になった説明欄といった感じです。

電子化を前提にすると必須項目のチェックや集計も自動化できるので、チェック欄や集計欄も不要になりそうです。これらを既存帳票に印をつける作業を行って、帳票のスリム化を図りましょう。

項目の簡素化

次に簡素化です。電子化を前提にするならば、複数の項目を代表するコードを導入して、コード入力をすることであとの項目を入力不要にします。例えば、社員コードを入力すれば氏名はもちろん、住所や所属部署といった関連している項目は入力不要にします。

同様に、商品・製品コードや作業コードなど検討してみるといいかもしれませんね。これらは単にコード化によって、入力を省力するだけでなく、人によってバラツキの出る項目内容を標準化することも兼ねています。氏名の間にスペースなし・半角スペース・全角スペースといった話から、住所に都道府県が省略ない・あるとか、作業名や工事名が略称で記載するのか、正式名称で記載するのかといったことが統一されます。

コード化できないものでも入力項目の標準化は重要です。受注日や発注日は、自社基準か、他社基準かで変わりますが、混在していることが多いです。また、予定日といった項目が発送予定日なのか、入荷予定日なのかがわからないこともあります。担当が独自解釈したせいで、必要な時に必要なものがないといったトラブルも発生します。少し長めでも新人が一目で見てわかる項目名にして、どの帳票でも同じ意味になるように統一しましょう。

電子化する場合は必須か任意かの項目設定ができると漏れがなくていいですし、新人も覚えやすいです。一回で決められない場合は少し試行して決めてください。

項目の並び替え

最後が交換、つまり並び替えです。記入しやすいように項目の入力タイミングで上から下に並び替えます。また、この際に記入しづらい狭い欄の項目やひとまとめにしたほうがわかりやすい項目を並び替えるレイアウトを考えましょう。

細かい話をすると電子入力は、タブレットやPCの横が広い場合でも、紙印刷がある場合は縦にするといったケースはレイアウトを2種類用意する必要があります。作業指示書の場合はバーコードを表示することも視野に入れて、レイアウトを考えましょう。

ここまでするのはとても大変なので、業務の範囲を絞って少しずつ進めてください。一つの業務でもできるとメリットが見えてくるので、展開しやすくなると思います。

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