書類の4S(その5)

前回は書類の4Sの整頓についてお話しました。今回は清掃についてです。

書類の清掃(入力規則、最新版管理)

一般的な4Sにおける清掃は、すぐに使えるようにきれいにしておくことです。書類における使いやすさは、最新版がすぐに見つかるようにすることと書くときに困らないようにする記入要綱や記入例が整備されていることです。

電子書類であれば、必須項目は記入できていないとエラーメッセージがでるとか、プルダウンやチェックボックスで選択式にして、間違った言葉を記入せずに済む(入力内容のばらつきをなくす)といった対応ができます。

また、入力例も吹き出しのようなものやラベルといった形で入力画面の項目の前後につけることで、調べることなく入力できるようにすることもできます。

最初はエクセルやワードで作った帳票を特定の場所に書込み禁止状態で保存しておき、使いたい場合は必ずファイル名を変更して保存してから作業するといったことをルールづければ、安心です。

保存場所としてはファイルサーバーがあれば、特定の場所を決めて、そこに入れておくこともいいですが、外出先でも利用したい書類があると使い勝手が悪くなります。できれば、共有できるオンラインストレージやグループウェアのファイル機能を利用して、特定の人だけアクセスできるクラウド上におくのがお勧めです。管理者は読み書きができ、一般ユーザーは書込み禁止といった制御もしやすいので、管理も楽だと思います。

ファイル名の命名規則

新しく名前を付けて保存するファイル名もできれば、ルール化して、案件番号や作成日付を付け加えておくと検索や作成書類側の最新版管理に役立ちます。

「作成日付はエクスプローラーで見ればわかる」といわれる方もいると思いますが、コピーすると日付が更新されるため、間違って古い方をコピーしてしまうとそちらが新しい日付になることも少なくありません。日付は入れたほうがいいです。

ファイル名内に日付を入れるときも8桁か6桁かを統一しておくとトラブルが少ないです。真面目に間にピリオドを入れる方もいますが無駄にファイル名が長くなるので省略をお勧めします。同様に見やすさのためにスペースを入れる方もいますが、システム管理の際にトラブルのもと(全角、半角が区別つきにくいため)になるのでこちらも使わないようにしてください。

上記の内容はファイル名の命名規則をつくって、同じ場所に保存しておくと便利だと思います。

システム化されると、その点入力画面と出力画面が独立できることやファイル名等も自動採番できるので、問題はなくなります。項目単位で検索も容易になるので、できるだけ主要書類はシステム化しましょう。

紙の書類の場合(記入要綱、記入例)

紙の書類の場合は、記入要綱は必ず作りましょう。作ったときは説明会を開いたり、作成責任者が関係者に話をしたりしてわかった感じになりますが、記入頻度の低いものだと聞いた人たちも忘れますし、新人や転務の方もわかりません。

電子書類でも、エクセルやワードの場合はシートかページを変えて、付けておくとなくさずに便利です。こちらは機能的にカバーできる場合は必須ではないですが、ある方が助かります。

内容的には、必須項目や選択式項目の選択内容、記入形式(西暦や和暦、数字、漢字等)といった迷わず記入できるルールを記載します。できれば、記入の際に参照すべき情報があれば、そちらも記載しておくと親切です。

また、項目数が多かったり、書くのに悩みそうな項目がある書類であれば、記入例を作成しましょう。電子書類やシステムであれば、薄い灰色の字であらかじめ入れておくこともできます。

最新版管理的には、電子書類であれば、ファイル名にバージョン、紙の書類であれば、余白に更新日付やバージョンを記載しておくといいです。切替時期に周知徹底することを忘れないでください。

書類を常に使いやすい状態にしておくというのは準備をしっかりすることが大切です。

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