前回に引き続き、RFID・ICタグについてお話します。
前回は、国際規格による規格の種類とICタグで有名なFeliCaやMIFAREについてお話しました。今回は、読み書きを担うリーダーライター(R/W)についてお話します。
RFIDリーダーライター
リーダーライターはICタグの内容を読み取るリーダーと内容を書き込むライターの機能をもった機器のことを言います。
「RFIDリーダーとRFIDリーダーライターって違うの?」と疑問をお持ちの方もいると思いますが、基本的にはリーダーにリーダーライターの両方の機能を持っていることがほとんどです。ただし、前回お話したようにICタグには固有番号があるため、これを読み取るだけに機器を使っていることが多いため、RFIDリーダーと呼ばれています。以下はリーダーでお話します。
手持ち型(移動型、ハンディ型)
RFIDリーダーは用途に応じて、様々な種類があります。一般的なものとしては、手持ち型とか移動型とはハンディ型と呼ばれるものです。セパレート型と呼ばれるRFID専用の独立した機器でBluetooth等でスマホやタブレット等の端末と接続するタイプが一番多いです。
その派生としてライドオン型と呼ばれるリーダーの上に端末が載せられるものやモバイル搭載型といってRFIDリーダーと端末が一体化しているものがあります。モバイル搭載型はモバイルにバーコードリーダーが搭載されているものもあるので、高機能ですが、値段も高価です。
据え置き型
もう一つは据え置き型で机の上や壁面に設置するタイプです。FeliCaなどのカードリーダーもこのタイプですね。これの派生に固定型と呼ばれるものがあり、大きな四角のアンテナがあるのが特徴でRFIDの制御部分が一体のものも分かれているものもあります。
両サイドで挟むようにして、常時読み取ることで、その間を通り抜けるだけで読取りが完了します。ゲート型と呼ばれるタイプです。作業が楽になりますが、金額も一番高くなり、制御も少し複雑になります。身近だと書店等の万引き防止に使われています。
これ以外には組込型と呼ばれる他の機器に機能として一体化するための小さなチップのようなものもあります。小さい分読取り範囲も狭いので、近づけて利用するタイプになります。
いろいろな種類がありますが、目的に応じて使い分けてください。
無線局の手続き(構内無線局、陸上移動局、登録局、免許局)
RFIDリーダーでもう一つ注意すべきことは電波出力によっては無線局の手続きが必要になるということです。RFIDはリーダーから発信される電波を受信し、ID等の情報を返します。結果として無線局の役割を果たすために手続きが必要なのです。
RFIDリーダー電波出力が250mW以下であれば、特定小電力無線局に分類されるので手続きは不要です。250mWより大きく1W以下の場合は手続きが必要になります。
さらに倉庫内だけで使うのか、屋外も使うのかで構内無線局と陸上移動局に分類が分かれます。あとはLBT(Listen Before Talk)とか、キャリアセンスと呼ばれる複数の機器の干渉防止装置がついているかいないかで登録局か免許局になります。LBT付きは干渉チェックのために電波の休止がありますが、なしは出し続けることができます。
自由に使いたいのであれば、陸上移動局の免許局がいいですが、この場合は、第三級陸上特殊無線技士以上の資格を持った人を無線従事者として選任する必要があります。ただし、構内無線局の免許局は資格は不要です。LBT付きのRFIDリーダーにしておけば登録局になるので陸上移動局でも構内無線局でも資格なしで使えます。無難なのではLBT付きということですね。
1か所で倉庫内でしか使わないのであれば、どちらでもいいですが、複数個所で使う場合や屋外利用があるなら、陸上移動局で登録しておくほうがいいと思います。
いずれの場合でも特定小電力無線局以外は手続きが必要です。手続きはそんなに難しくないですが、関連サイトを調べるか、管轄の総合通信局やメーカーに聞くといいと思います。申請忘れは懲役・罰金もあるので、忘れないでください。