未来管理(残作業管理・未払管理)

今回は最近よく相談の中で話が出てくる進捗管理と予算管理について、ちょっとお話しをします。

1.残作業管理

「進捗管理がうまくいかないせいで納期遅れになる」というお話しをよく聞きます。「予算管理がうまくできれば、赤字が防げるのに」というお話しもよく出ます。しかし、本当に進捗管理、予算管理ができる状態なのでしょうか?

企業によって、進捗の言葉の定義は異なると思いますが、一般的には、作業の進み具合です。つまり、「どこまでできたか」です。進捗管理は作業計画に対して、作業実績を比較して、差異を把握し、必要に応じて対策を立てて、実施することです。

しかし、どこまでできたかの報告を受けても進捗管理がうまくいかないことがあります。

それは施工計画の精度の悪さがあります。社内に作業ごとの標準工期があって、現場の状況・難易度もを踏まえて、工期を調整し、他社を含めた複数の作業を調整したきちんとした計画があればいいのですが、標準工期もないし、複数の作業の調整もしていない「なんちゃって計画」しかないことが少なくありません。

「搬入車両が入らなかったので、手運びでした」とか「別業者の作業待ちでした」とか準備不足、調整不足で作業そのものは時間通りに所定の内容をこなしていても、納期に間に合いません。また、端部処理に想定以上の時間がかかり、「がんばりましたが間に合いませんでした」という話もでます。結果、進捗を把握しても、手をうてないことが少なくありません。

さらに、下請中心の企業や人手不足で工事を消化するだけで手一杯の企業では、精度の高い計画を立てることはなかなか難しいです。つまり、どこまでできたかの報告では比較できる計画がないために管理が難しいということです。計画が大事なのですが、「そんな精度の高い計画なんてできませんよ」といわれるのもまたよくあることです。

では、どうするか。それは「あと、どれだけの作業が残っているか」と「あとどれだけ時間があるか」を聞くことです。それで間に合うかどうかを検討し、できない場合は対策(人を増やす、機械を変える、納期を伸ばしてもらう等)を立てるようにします。これなら精度の高い計画より多少は実施できると思いませんか?

残作業管理とは進捗管理の裏返しであり、終わった過去を見るのではなく、残っている未来を見る管理です。残作業というとちょっと後ろ向きに感じるかもしれませんが未来を管理するというのは少しいい感じですよね。

もちろん、これは進捗管理のファーストステップであって、進捗管理が不要というわけではありません。残り作業と時間から間に合わせる方法を考えるのはミニ施工計画です。残作業管理で経験を積んで、精度の高い計画を立てる準備ができるのです。

2.未払管理

同じような話に予算管理があります。利益を出すためにはこれだけの予算内でおさめる必要がある。今どこまで使ったかを知って予算との比較をするというのが予算管理ですが、こちらは出来形(建設物そのもの出来具合)から算定した出来高(予算×出来形)と比較せずに行うとこれまたうまくいきません。

工期は3分の2終わっていて、予算も3分の2消化しているからOKかというと、実際の出来高(工事の完成度)は2分の1なら赤字の警告ランプが点灯です。材料を先払いで購入することもあるので絶対にダメなわけではないのですが、消化した予算の内訳がないと精査できません。

こちらも精度の高い実行予算をきちんと立てて、細分化した項目ごとに予算の消化高と出来高を比較して対応しなくては予算管理はうまくいきません。しかし、「精度の高い実行予算をたてる時間がありません」といわれることも少なくありません。なので、こちらも残りの予算管理、つまり、未払管理をしましょう。

具体的には「あと支払うものは何」「それにいくらかかるか」を確認しましょう。そして予算が足りなければ、なにを削るか、足りない理由が発注者側にあるならもらうお金を増やすかをします。これが未払管理です。こちらに関してはあれもこれもと手を出すと結局大変になるので、予算額の大きくて、かつ、赤字の要因になりそうなもの(材料費、外注費)を中心に行ってください。

こちらも予算管理の裏返しで未来管理です。これは以前紹介した予算管理の最終形でもあるのですが、意外と最初から始めても効果が出やすいことがあるので、こちらから始めることも勧めています。

「予測しにく未来を管理するなんて難しそう」と思われるかもしれません。まずは期間を短くして、近い未来から始めてみてください。例えば、水曜日に土曜までの残作業を予測する。8割発注し終わった材料の残りを算定するといったところからでいいです。うまくいったら範囲や期間を広げていきましょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする