今回は施工管理アプリ・サービスから派生して建設資格・実績管理アプリ・サービスについて、お話します。
建設業は、安全面でも品質面でも非常に注意の必要な業種です。安全面でいうと、残念ながら、一番事故の多い業種ですし、品質面でいうと、最低でも十年、現実は数十年以上構造物が期待された性能を発揮する必要があります。
建設業は資格だらけ
このような業種のために、適切な業務・管理ができるための資格がとても多く、この業界に入って、資格がないという方はいないと思います。ほとんどが国家資格であり、簡単な講習で取得できるものから、実務経験が必要で、2次試験まであり、経験論文を書く必要があるものもあります。
また、多くの資格は特定の業務を行うために必須のため、とらざるを得ない状況です。経験だけで行える場合もありますが長い期間が必要なため、資格取得が一般的です。有資格者が確保できていないと、受注できる仕事が増えないという課題が建設業では常にあります。単に人手を確保するだけではだめということです。
更新が必要な資格
さらに、これらの資格の中には更新が必要なものがあります。現場監督では必須の監理技術者は5年に1回(正確には5年後の12月31日)ですし、建築士も3年に1回、第一種電気工事士も5年に1回更新が必要です。それ以外にも必須ではないしても能力向上教育を受けることが望ましい資格が多くあります。
どの仕事にどの資格が必要か、期限が切れていないかどうか、切れる前に受講できる講習会は、といった情報を把握しておく必要があります。
基本は資格証を作業時に携帯しておく必要があるために本人が意識していれば、問題ないのですが、残念ながら業務遂行に熱心で数年に1度の更新は頭の隅にもなかったということが少なくありません。また、この作業にどの資格が必要かを把握している現場監督も全員ではないのが現状です。
業務実績も重要
そのために、資格を事務所で一元管理して、必要な資格の把握と更新期限の管理が必要となってきます。また、前述したように経験で対応できる作業もあるため、業務実績も合わせて把握する必要があるのです。
規模の小さく、業種が限定されている企業であれば紙ベースの管理台帳でもいいと思いますが、できればシステムで管理できた方が望ましいです。今回はそのようなシステムをいくつか紹介します。
なお、上記管理システムの代表格となる建設キャリアアップシステムは次回紹介します。
◆JCC技術者管理
https://jcc-cloud.jp/solution/engineer/
JCCソフトが提供する建設業統合情報アプリケーションの中の一つで、資格情報、継続教育、工事経歴と必要な情報を一元管理できるサービスです。
◆工事管理WAO 社員情報システム
https://kensetsu.chepro.co.jp/system/kouji/syain
品質管理システムの際にも紹介した、工事管理WAOの資格および実績の管理システムです。こちらは工事管理WAOの中にあるので、工事情報とも簡単に連携できます。
◆工事情報管理システム コンパス
https://systemwave.net/service/compass/
工事実績の管理システムですが、技術者の資格やCPD(継続教育)の管理もできるシステムです。公共工事中心の企業であれば、とても便利だと思います。
◆Tender One 統合型工事情報管理システム
https://www.unitec-net.co.jp/service/tenderone
こちらも工事実績の管理システムです。工事情報や技術者情報だけでなく。公共工事の登録システムであるCORINS(工事実績情報システム)連携や経営事項審査支援機能もあります。
◆設備業人材管理
https://kintone-sol.cybozu.co.jp/apps/setsubigyo-jinzaikanri.html
こちらは単体で動くものではなく、最近認知度の高いkintoneの一アプリです。設備業と書かれていますが、カスタマイズが簡単にできるので建設業のどの業種でも利用可能です。