前回に引き続き、建設工程管理アプリ・サービスについて、お話します。
工程管理アプリの使い方について、前回は最初は基本機能だけ使うのでもありだと思いますとお話しましたが、具体的なイメージをもう少しお話します。
短期間、単一工種でお試し
まずは、短期間、単一工種に絞って機能を使ってみましょう。鉄骨・鉄筋工事業や塗装工事業、内装工事業といった、いわゆる職別工事業の場合は、比較的対象が多い工事になると思います。
基本は対象現場の作業を分解して、記入していきます。日単位というわけではなく、同じ作業が連続してれば、複数日でもOKです。現場での準備作業、加工作業、組立作業、仕上作業といった感じで職人さんの人数が一定で、同じ工具や機材を利用して進める作業をひとまとめにして記載します。
大きな現場の場合は、特定期間の特定工種でも同様のことができるのでやってみましょう。もちろん、型枠なら日何m2といった形で一行で表現することで複数工種を記載してもOKですが、細分化したものを全体的に俯瞰できるのが、工程表アプリのメリットなのでできるだけ作業単位で記載するのが勉強になると思います。
日数は工事数量÷日施工数量
作業を記載出来たら、日数を入力します。アプリによっては、必要な工事数量と日施工数量から日数を算定してくれるものもあります。有効に活用してください。慣れてくると工種ごとにどのような数量を把握する必要があるか見えてきます。
また、外注重機(クレーン等)や材料搬入(トラック)のように作業場所の制約や搬入場所の確保が必要なもののための追加作業が必要になることもあります。理想は現場平面図を利用した配置図との連携ですが、さすがにここまでの機能を有した工程表となると、BIMやCIMに近くなってくるので、あくまでCAD等の配置図を別で用意して、工程を検討しましょう。
複数現場を入れて、俯瞰的にみる
慣れたら、複数現場を入れておきます。その際に職人が限られている作業に色付けをしておきましょう。ソフトで複数工事を俯瞰して見れるようにすれば、ダブルブッキングを回避することもできます。リフォーム等で複数現場を渡り歩く職人さんや協力業者を負担なく、継続的に使う時に役立つと思います。
エクセルでもできなくはないですが、工程表ソフトだとより楽にできます。基本機能をしっかり使えるようになるだけでも工程管理が一ランク上にあがると思います。
◆工程’s Orario
https://www.webi.co.jp/kouteizu_oraio/
大手ゼネコンでの導入実績もある工程表ソフトです。工程のグループ化や工程の関連付け、実績入力と工程管理に必要な機能はほぼあります。サーバー経由で協力業者との連携も可能です。
◆コストナビ工程表
https://kentiku.co.jp/service/costnavi_koutei_standard/
建築ソフトが提供する工程表作成ソフトです。ネットワーク工程表だけでなく、進捗管理による予実比較や出来高算出もできるのはいいですね。DXFで出せるのでCAD図面と一体にもなります。
◆PatPro+
https://www.mti-osk.com/PatPro.html
株式会社エムティアイが提供する工程表作成システムです。エクセルと同じような使い方ができますし、図面の取込等も可能なのです。A1サイズまで印刷できるのもありがたいですね。
◆Project Canvas
https://www.rumix.co.jp/pc/
ルミックス・インターナショナルが提供するプロジェクト管理ソフトです。縮尺や階層化ができるのがとても便利です。拡張メタファイル形式で他のソフトに貼り付けれるのもいいですね。
◆CADPERT
https://www.cadpert.com/
ホクユウ創研が提供するネットワーク工程表ソフトです。時間管理、資材管理、原価管理と段階を踏んだバージョンを用意してあるのでニーズに合ったものを選べます。無料体験版もあります。