前回は、テレビ電話に向く会議・向かない会議についてお話をしました。今回と次回は、テレビ電話に向く会議のためにどのような機器を準備をすべきかについてお話しします。
2.会議の環境づくり
まず、前回も少しお話ししましたが、基本的に少人数で高価な専用機器を必要としない仕組みを前提とします。具体的には
・テレビ電話用のソフトは無料もしくは安価
・テレビ電話用のハードも安価で操作も比較的簡単
といったものです。費用対効果が認められれば専用機器導入も有用だと思いますが、中小企業や部署レベルで始めるのであれば、まずは上記の条件で始めることをおすすめします。
(1) 電話ソフト
・Skype
世界で最も有名な電話ソフトです。2011年にマイクロソフトが買収して子会社となっています。Windowsはもちろん、MacやiPhone、Androidなど様々な機器で利用が可能です。機能も充実しており、特に希望がなければ、このソフトを選んでください。
・各種メッセンジャー
Windows LiveメッセンジャーやYahoo!メッセンジャーなどがあります。ハード本体がパソコン同士ならばこのソフトを選択してもいいと思います。
・AVチャット
プレイステーション3に内蔵されているソフトです。詳しくは後述しますがある条件下であれば、費用対効果が高いです。機能はたくさんありませんが、その分、操作性に優れます。何しろゲームコントローラーだけで操作ができるのです。
(2) ハード本体
・パソコン
基本的にはパソコンを利用するのが一番です。理由は、他のWebサービスと組み合わせることができるからです。会議の頻度が少なければ、会議に参加される方のノートパソコンをもちこむのが追加費用が掛からないのでベストです。性能は、テレビ会議だけであれば、一般的なパソコンでいいですが、そのほかのソフトを立ち上げたり、他のWebサービスと併用するのであれば、できるだけ性能の高いパソコンを用意してください。
・PS3(プレイステーション3)
ご存知の方も多いと思いますが、本来はゲーム機です。しかし、このハードにはAVチャットというソフトが入っており、これをつかうことでテレビ電話が可能になります。(ただし、本体+対応したWebカメラが必要)
比較的頻繁にテレビ会議のみ行う場合で、会議室に常設したいが空いているパソコンがないときや無料で複数拠点をつなぎたいときに選んでください。メリットとしては、
○高性能なのに価格が安い。定価が24980円です。パソコンでこの値段では入手が難しいです。
○性能はさすがゲーム機だけあって、いいです。特に操作性がとてもいいので、さほど覚えなくてもすぐに操作できるます。
○AVチャットの機能なのですが、最大6拠点まで接続可能です。これが追加投資なしで実現できます。Skypeは有料で最大10拠点までできますが、現実は5拠点ぐらいなので、複数拠点での接続を検討されている方には最有力候補です。
デメリットがないわけではありません。
×他のソフトとの併用ができない。テレビ電話をしながら、議事録を書くためにワードを起動するというようなことはできません。
×単機能です。ファイル共有や画面共有機能等がありませんので、ちょっとテレビ電話に慣れてくると不満に思うこともあります。
・Skype内蔵テレビ
いま、一番操作が簡単だと思われるハードです。実売価格で32インチのSkype内蔵テレビが5万円以下で購入可能です。操作はテレビのリモコンでできますので、機械が苦手な方でもほぼ大丈夫です。ただし、内蔵のため、基本機能のみしか搭載されていないとか専用カメラが高価などのデメリットはあります。
・タブレット(iPadやAndoroidタブレット)
拠点での参加者が二人ぐらいでしたら、タブレットでも十分です。SkypeはiPadもAndoridタブレットともソフトはありますので、出先から行いたい場合に便利です。ただし、テレビ電話は高速回線が必要なので、できれば光かADSL回線につながった無線LAN環境で行いましょう。外であれば、公衆無線LANが使える場所で行うのがベストです。(周りから注目されてちょっとはずかしいですが・・)