議事録(その4)

 議事録の4回目です。1回目は目的、2回目は書き方、3回目は活用方法でした。4回目は管理方法をお話しします。

4.議事録の管理

 前回、活用方法で、議事録は

(1) 活動の実施度を確認する効果確認書
(2) 類似プロジェクトの参考資料
(3) 新人のひな形に使える教育書

として使えるとの話をしました。当然、あとから活用できるようにするためには管理が必要です。今回は管理のポイントをいくつか紹介します。

(1) フォルダルールの策定

 議事録は会議の記録です。多くの場合はプロジェクトの中の会議であることだと思います。そこで、プロジェクトフォルダの中で議事録を別フォルダにしてきちんと管理する社内ルールをつくりましょう。建設業であれば、電子納品で打合せ簿フォルダを納品することがあるので、それを意識してつくればいいです。その他の業種でもプロジェクトや定例会で作った議事録を決まったフォルダに入れるようにしましょう。

(2) 会議資料の添付

 議事録ファイルをフォルダに入れる際に必ず、その会議で使った資料もいっしょにいれるようにしてください。多くの議事録は会議資料が手元にあることを前提に記録を残しています。そのため、議事録を後から見る場合には会議資料が必要不可欠になる場合が多いのです。通常のプロジェクトは、別々のフォルダだけど電子データだからあとから見れるだろうと集めないことが多いと思います。しかし活用を意識するのであれば、重複してもいいので、データを集めていれておくようにしましょう。これをしないと「この表を参照ってどういう意味だろう?」「3ページの左図ってなんのこと」とせっかくの議事録が役立たずになってしまします。その時はちょっとめんどくさいですが、将来のために忘れずに行ってください。

(3) プロジェクト終了時の選別

 議事録に限ることではないのですが、プロジェクト終了時に今後に活用できる電子データを選別することが大切です。プロジェクト終了後は次のプロジェクトの準備でなかなか見直す機会がないと思いますので、終了前に候補フォルダを決めておいて、終了後すぐにそのフォルダだけを保存フォルダとして特定の場所に置くかDVD?Rなどに書き出すなどの作業ができると望ましいです。

 また、活用度をあげるためにはその議事録のもとになる会議が何の目的で行われたかの簡単な概要をまとめ、トップフォルダの直下に概要.txtとして保存しておくとより親切です。

(4) 共有フォルダへの保管とインデックス化

 半年に1回とか1年に1回とかの間隔で活用できる議事録や資料をあつめて、一定の場所に保管するとともにインデックス(目次)をつくって、参照しやすい仕組みをつくるようにしましょう。

 工事の場合は、議事録に限らず、図面や計算書、数量表なども重要な活用資料になりますので、全体を電子納品のような形で決まったフォルダ構成にして、活用できるファイルを絞り込んで入れておき、最終的にそのフォルダを一か所に集められるような仕組みを作ると同種工事の管理や着工時準備にとても重宝します。最近は比較的容易にインターネットにセキュリティを考慮して公開できるようなネットワーク型ハードディスクも販売されています。上手に活用すれば、事務所管理でありながら現場での利用も簡単にできる仕組みを構築することができます。それも比較的安価にです。せっかく共有するのであれば、ぜひ検討してください。

 議事録や資料は再利用できると便利なのはわかっているのになかなか現実はできません。竣工時(プロジェクト終了時)は予算の関係上、人が減っているためにそこまで手が回らないためだと思います。できれば、電子納品や竣工書類を支援する部署もしくは担当者がいて組織的に支援できることが望ましいです。みなさんのちょっとの努力が新プロジェクトの大きな助けになるはずです。

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