バーコード(その3)

前回に引き続き、バーコードについてお話します。

前回は比較的昔からあるCode39、Code128、Interleaved 2 of 5、NW-7のそれぞれのコードについてお話しました。

コンビニ振込(GS1-128)

今回はバーコードの規格から派生したアプリケーション規格であるGS1-128についてお話します。

ところで、皆さんはコンビニで料金代理収納を利用したことはありますか。最近はクレジットや電子マネーなど支払方法が増えたので、あまり使われていないかもしれません。

もし、利用されていれば、少し長めのバーコードがついているところを見たことがあると思います。これが、GS1-128の規格で作られたものなのです。

これも2002年7月までは、3段か4段のJANコードだったのです。しかし、読みそこなったり、3回、4回とバーコードリーダーをあてるため、非効率だったりしてトラブルが少なくなかったのです。

そのためにCode128をベースに商品コードだけでなく、請求に関する様々な情報をルール化して掲載できるようにしたのが今回紹介するGS1-128です。

全部で44桁あり、最初の2桁が識別子、次の6桁が企業コード、次の21桁が企業用自由欄、1桁の再発行区分、6桁の支払期限日、1桁の印紙フラグ、6桁の支払金額、最後の1桁がチェックディジットです。なお、自由欄は顧客コードや企業側の管理コードなどに使われているようです。

食肉標準物流バーコード

さて、このGS1-128はこのコンビニ振込だけでなく、他にもいろいろなところで使われています。そのひとつは食肉標準物流バーコードです。もしかしたら、購入されたお肉のパッケージについていることもあるかもしれません。

こちらは基本情報が最大38桁、補助情報が最大90桁とものすごく長いバーコードですが、そのバーコードの中に、重量や製造年月日、カートン番号(箱単位の番号)、ロット番号、枝肉番号やカット規格番号、個体識別番号、カット規格番号といった様々な情報が入っています。

AI(アプリケーション識別子)

さすがにバーコードを見てもピンとこないと思いますが、並列して記載している数字にヒントがあります。()内に書かれている数字です。先ほどコンビニ振込でお話した識別子がこれにあたります。コンビニ振込の場合だと91ですが、お肉の場合は、01が商品コード、3102が重量、251が個体識別番号を意味しています。

これらをAI(Application Identifier)、アプリケーション識別子と呼んでおり、国際的にルールが決まっています。そのために日本に限らず、世界中どこでもこのルールでのバーコード管理ができるようになっているのです。ISOでは15418、15424、JISだとX0531、530で決められていますが、詳細はGS1のサイトにAI一覧表として掲載されているので、ご興味のある方はご覧ください。

いくつかほかの例をあげると11が製造年月日、15が賞味期限日、17が消費期限日、420が郵便番号、4322が置き配可否、7005が漁獲水域、7010が水産物の漁獲・生産方法といった感じです。

つまり、いろいろな組み合わせを行うことで、自分の必要な情報をバーコードとして記載できるのがこのアプリケーション識別子なのです。

医療機器材料や医薬品の物流にも標準化されて利用しています。また、チェーンストアでの納品ラベルもこの規格をもとに作られています。

いろいろな情報をバーコードに載せたいのだけど、独自ルールを決めるのが心配という方なら、このGS1-128の規格を参考にして、検討することをお勧めします。

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