今回は、個人の仕事術の手法について紹介します。
現場監督の仕事は多岐にわたります。現場での監督業務はもちろん、そのための準備作業や記録とその整理、さらに協力業者との打合せや材料業者への手配、発注者への報告、打合せ、関係省庁への書類の作成と提出、月間・週間工程表の作成、これから先の施工計画の策定などの現場関連の仕事。品質・環境等の社内書類の作成、社内各部署との連絡といった社内関連の仕事、研修・資格取得といった自己啓発といくら時間があっても足りないような感じです。
「働き方改革」の中で一番問題となりそうな業種は建設業だというのは上記の内容をみてもわかると思います。未だ最大手ですら週休二日制が実現できていない業種なのですからね。とはいえ、このままではダメです。少しでも効率よく仕事を行っていくことが重要になってきます。そこで仕事術の出番です。
GTDという言葉を聞いたことがありますか?Getting Things Done の略で、直訳すると手に入れた物事をおこなったという感じですが、仕事をやり遂げるという意味でそのための情報整理術です。では、ステップごとに説明をしていきます。
(1) 収集
まずは、やるべき仕事、やりたい仕事、気になっている仕事をともかく書き出します。時間がかかるものとか簡単にできるものとか気にせずに、頭の中の気になることを空っぽにするつもりで書き出すことがポイントです。机の上や引き出しの中を見たり、上司や部下の顔を思い出したりしてもいいです。パソコンのデスクトップのファイルでも気づくことがあるかもしれません。
仕事と書きましたが、個人・家庭のことを書き出すのもありです。家の用事が気になってでは意味がありませんからね。そんなことをひたすら書き出すのに付箋やToDoリストソフトを使うと後で便利になります。私は事務所の仕事をデスクトップに付箋で書き出しておき、外でもやることをクラウド対応のメモアプリに書き出しています。
(2) 処理
重要であるかないか、緊急であるかないか、簡単であるかないかといったいくつかの条件で書き出した内容を分けていきましょう。時間軸で分けることが多いので、すぐやる、特定の日にやる、いつかやる、誰かに任せるといった分け方をすることが多いようです。付箋やソフトならマークや色付けで分類が簡単にできます。
特に他に人に任せることを分けることができれば、自分の負担は減ります。また、いつかやるは往々にしてやらなくていいものも含まれますので、頭の中から取り出せるのは有用です。気になるなら付箋を使って、手帳の最後に貼ったり、ソフトなら一番下の行に置いておくと精神的にも安心ですよね。
(3) 整理・実行
ここで、すぐやる、特定の日にやるをスケジュールに落とし込みましょう。その際に内容をもう少し細かくして、すぐにできる内容に分解することやその次にやることや人に依頼することを書き出すなど項目の整理整頓を行ってください。
準備ができたら、実行に移りましょう。もちろん、終わったものをどんどん削除してすっきりさせながら、次にやることを昇格させたり、新たな出来事を追加するといった(1) に戻るような作業を行っていきます。
(4) レビュー(振り返り、見直し)
これは、上記のループを少し外から見るステップです。実際に書き出してみるとわかりますが、最初は漏れがあったり、重複があったり、書いた内容がよくわからなかったりします。結果としてやり損ねていることがでてきたりします。
いつでもいいのですが、振り返るタイミングを決めて、出来具合を見てみましょう。最初は週一回はやることをお勧めしますが、慣れてくれば、もっと頻度を下げてもいいと思います。
書くことになれると忙しい状況でも気持ちに少し余裕が出てきて結果としてうまく仕事をこなせるようになります。仕事の効率をあげるポイントの一つは気持ちよく仕事をすることですからね。
仕事に用事に追い掛け回されている気がすると感じる方は一度お試しください。