前回に引き続き、RFID・ICタグについてお話します。
前回は導入手順をお話しましたが、少し応用編として、バーコードと組合せについてお話します。
RFIDの特徴
RFIDの特徴は、複数一括で読める、離れていても読める、隠れていても読める、情報が書き換えることができるといったメリットと導入費用が高い、対象物によっては十分な効果が発揮できないといったデメリットがあります。
特に衣類や書籍など比較的電波の貫通しやすい商品を取り扱う場合はとても便利ですが、金属やコンクリートといった電波の貫通しにくい商品や場所で取り扱う場合はあまり効果を発揮しません。
電波が通りやすいところにタグを設置するか、アンテナの数や設置場所を工夫して、拾いやすい環境を作る必要があります。また、ICタグ側も高価なので、数を少なく、できれば再利用できるような運用方法を考える必要があります。
RFIDとバーコードのハイブリッド
とはいえ、箱単位ではなく、商品単位で管理したい場合は困ったことになります。ここで登場するのがバーコードです。バーコードであれば、費用は大幅に抑えることができますし、読み取り装置も入手しやすく、同じ予算であれば、RFIDリーダーより多く準備することができます。
そのため、多くのRFIDタグはバーコードとの組合せで利用されています。具体的には個体商品はバーコードで箱やパレット単位はRFIDで管理するといった方法です。こうすることで、全体管理も個別管理もできるようにして、システム等で2つの仕組みを連動させることを行います。
もう少し具体的に流れを説明すると、まずはバーコードで商品単位で読取り、箱詰めします。箱にはバーコードもついたRFIDタグを付けて置き、商品と箱をシステムで関連付けておきます。これは箱詰め作業の時にバーコードリーダーのみで行います。
その後、箱単位で倉庫への入出庫を行うのはRFIDリーダーで読取り管理します。システムでどの箱にどの商品がはいっているかがわかるので、商品を選択すると箱が特定でき、その箱をRFIDで探せば、イチイチ箱をあけずに商品を見つけることができるということです。箱詰めの際は少し手間かもしれませんが、ピッキング時の負担やミスは減ると思います。
また、バラ管理と箱管理もバーコードとRFIDの役割が分かれていることで操作ミスが減ることも期待できます。
リーダーの定置型
もちろん、RFIDリーダーもバーコードリーダーも手持ちで作業すると片手が使えなくなるので不便だという声もよくあります。その場合は、リーダーを別のタイプにかえることを検討しましょう。
例えば、バーコードリーダーも定置型を利用すれば、持たずに読み取れるので、箱詰めするか取り出すときに、読み取りやすい位置に設置すれば、負担感は少ないと思います。さらに連続読取りも早いリーダーがあるので、速度的にも問題ないです。具体的には最近増えてきたセルフレジのバーコード読み取り機をイメージしていただくとわかりやすいと思います。
RFIDリーダー側の読取りも通常の手持ちのリーダーだけでなく、RFIDアンテナが独立した設置型との組合せも読取り効率をあげます。具体的にはRFIDアンテナを入出庫口にパレットや箱の高さに合わせて複数設置するか、少し大型のアンテナを設置し、そこを通過するだけでいいという読取り作業をなくす方法も可能です。こちらのイメージや小売店や書店の入り口にあるゲート型のリーダー(主に盗難防止用)をイメージしていただければいいと思います。
前述したシステム連動で読取り回数も出庫時は減らすことができるので省力化できます。管理する商品の荷姿やバラ利用と箱利用の頻度によって、いろいろな方法があると思います。状況に応じて検討することをお勧めします。