議事録の3回目です。1回目は目的、2回目は書き方でした。3回目は活用方法をお話しします。
3.議事録の活用
みなさん、議事録を読み返すことはありますか?たぶん、大半の人は次の議事録の前に課題の確認等で読み返すことぐらいしかないのではないでしょうか。一生懸命、書記の方が書いて、1回か2回ではモッタイナイと思います。では、どんなふうに活用すればいいのでしょうか。以下に3つの使い方を話します。
(1) 活動の実施度を確認する効果確認書
私はプロジェクトの中間や終わりに一通り読み返すようにしています。そうすることでこのプロジェクトで行ったことがどのようなことだったか。当初の目的と現実がどうだったかという効果確認ができるからです。
また、プロジェクトが長期にわたると最初守られていたことがだんだんおろそかになっていたり、いつの間にかちがうルールになっていたりと振り返ることで気づきを得ることも少なくありません。そんなことも振り返ることで気づくことができます。このようにプロジェクト活動がどのように行われているかという実施状況を確認するツールとして議事録が使えます。
おすすめとして、議事録に進捗状況や進捗度などがわかるものを定期的に埋め込んでおくことです。そうすることで、一目で状況を把握することができます。もちろん、臨時の打合せ議事録ではなく定例会議や進捗会議など定期的に行われる会議の議事録につけることをおすすめします。
(2) 類似プロジェクトの参考資料
建設業、特に土木のプロジェクトは同じプロジェクトは二度とないとよく言われます。しかし、全体としては同じではないかもしれませんが部分的には同じところはかなりあります。鉄筋工事、コンクリート工事と部分的にとれば、工事ごとに比較することもできます。つまり、類似プロジェクトの参考資料として、前回と同じことを失敗しないように、詰めが甘かった部分を二度としないようにするために議事録を参考資料として活用することができます。
一般企業でも過去に類似プロジェクトがあった場合、計画書や進捗管理表などと同様議事録は参考資料としては重要だと思います。特にプロジェクトが難航していたものなどは何が原因だったかは議事録からヒントを得ることが少なくありません。
ポイントとしては、どの工種の打合せなのか、どういうテーマだったのかをタイトルやフォルダ等でわかるようにすることです。ウィンドウズの検索機能(ファイル内検索ができる)なので容易に探せるようにするためにも名前の付け方に工夫をしておきましょう。
(3) 新人のひな形に使える教育書
若手に限らず、初めての仕事というのは必ずあります。その際にどのように進めるべきか、どのようなことを関係者から確認すべきかということを知るのに議事録はとても有効です。
特に着前検討会や工事反省会など準備や失敗をしたときの反省など、初めての仕事を知るためのヒントがよく載っています。施工計画書や作業手順書も大切ですが、議事録には生の声が載っている場合もあるのでとても貴重な教育資料として使えるのです。
一般企業でも初めて議事録を書く新入社員へのテンプレートとして使うこともできますし、会議とは何を話し、何をまとめるべきかという会議の役割を説明する資料にも使えます。
最後にこのような活用をするためにも議事録はきちんと残すべきだということです。それも関係者だけが見ればわかるものではなくある程度の関係知識や背景を知っていれば内容が理解できるようなものに仕上げるべきです。議事録が活用できるようなレベルに仕上がるのが理想なのです。