RFID・ICタグ(その5)

前回に引き続き、RFID・ICタグについてお話します。

前回は、読み書きを担うリーダーライター(R/W)についてお話しましたが、今回はその回でお話した無線技士の補足とRFIDへの書き込み方についてお話します。

前回、陸上移動局の免許局は、第三級陸上特殊無線技士以上の資格を持った人を無線従事者として選任する必要がありますとお話しました。

無線従事者の資格

以前、通信系資格で無線通信士と無線技士の紹介を少しだけしました。ここで、もう少し詳細に説明すると、まずは利用できる範囲で、総合、海上、航空、陸上、アマチュアに分かれます。アマチュア以外は業務用です。

まず、総合はどこでもできる万能型で第一級から第三級の無線通信士があります。海上は船舶での無線での資格で、第一級から第四級までの無線通信士、第一級から第三級までの特殊無線技士、レーダー級の8種類あります。航空はその名の通り、航空機用で級はなく、無線通信士と特殊無線技士の2種類です。

陸上は放送局からタクシー無線まで割と身近な利用範囲で、第一級から第二級の無線技術士と第一級から第三級の特殊無線技士、国内電信級の6種類あります。国内電信級はモールス信号が使える資格で陸上自衛隊での無線業務で使われています。

アマチュアは業務外での利用で第一級から第四級の4種類です。個人の趣味の範囲で無線を利用する場合はこちらです。全部で23種類に分類されます。

この中で今回のRFIDに係るのは第三級特殊無線技士です。陸上系では一番範囲が狭いですが、取得はしやすいようです。本格的に活用するのであれば取得を検討してください。

ドローンにも使える無線資格

あと、おまけの話ですが、産業用ドローンは5.7GHzの周波数で通信を行っており、これを利用する場合も第三級特殊無線技士が必要になります。つまり、ドローンでもこの資格が役に立つのです。ただし、目視外飛行や夜間飛行の場合は二等無人航空機操縦士の資格も必要なので注意してください。(一般向けのドローンは2.4GHzで技適マークがついているので、無線資格も不要で、目視内飛行なら操縦士資格も不要です。)

RFIDへの書き込み方法

RFIDへの書き込み方法は、大きくは2種類あります。一つはRFIDリーダーライターを使う方法です。アプリ画面で所定の情報を記載してから、それをライターに転送して、RFIDに書き込みます。この時に注意すべき点は、周囲にRFIDタグがあると間違ってその情報が記載されることがあるということです。

対策としては、RFIDタグを周りに置かないことや電波出力を弱くして、書き込める範囲を狭くするかです。この辺りは慣れになると思います。

もう一つはRFIDプリンターです。こちらはロール状になったRFIDタグをプリンターにセットして、連続して書き込む方法です。プリンターとして、表面にバーコードや管理情報を印字することもできるので、とても便利です。大量に印刷したいときに向いていますが、機械は高価なので、その点を留意してください。

RFIDのメモリ領域

RFIDのメモリには4つのデータ領域がありますが、TIDは読み取りのみとRESERVEDは読み書き不可なので、EPCとUSERという領域が書込み対象となります。そのうち、EPCの中にあるUII領域はユーザーが決めたコードを書込みできます。(Unique Item Identifierの略です)

メインとなるはUSER領域です。タグによって容量が異なることとタグによっては存在しない場合があります。利用したい場合は購入する際に仕様を確認してください。

いずれの場合でもライターやプリンターで一手間かける必要があるため、システムと連動させる場合は、タグに元から入っているユニークIDを読取り、システム側で情報を管理したほうが応用はきくと思います。システムが使えず、端末に情報を表示したい場合に検討してください。

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