今回は在庫管理や器具管理などでよく使うバーコードについてお話します。
バーコードとは
まずはバーコードの説明からです。バーコードとは縞模様の線の太さによって、数値や文字を表す識別子(ID)です。数字、文字、記号などの情報を一定の規則に従い一次元のコードに変換し、専用リーダーで読み取りやすいデジタル情報として入力できるようにしているものです。
少し、バーコードの歴史を話すと1949年にバーコードの元ができ、1962年に鉄道貨物、1967年に米国の食品チェーンで利用され始めました。その後、1972年にダイエーと三越でテスト導入がされたのですが、この当時は規格がなく、NEC、富士通、三菱とメーカーごとでコードがあったようです。
その後、1973年に米国でUPCコード、1977年に欧州でEANコードと統一規格ができたことで、EANコードをベースに1978年JANコードが策定されました。とはいえ、それまでの背景があり、普及するのは1984年セブンイレブンのPOSシステムでの利用するようになってからです。その当時既に2000店舗を超えていたため影響力が大きく、食品、雑貨メーカーから次第にスーパーや百貨店に広まりました。
現在は、一次元バーコードだけでなく、QRコードに代表される二次元コードや白黒だけでなくカラーコードもあります。とはいえ、ある程度規格の種類は決まっています。そのうち代表的なものをいくつか紹介します。
JAN/EAN/UPCコード
まずは、JAN/EAN/UPCコードです。ISO/IEC15420(JIS-X0507)で規格化されており、全世界共通で使えるようになっています。そのため、別名でGTIN-13とも呼びます。
基本は13桁の数字をバーコードにしており、最初の2桁が国コード、次の5桁か7桁か8桁がメーカーコードで残りの5桁か3桁か2桁が商品コードで最後の1桁がチェックディジットです。GEPIRというネットのサービスでバーコードからどの企業なのかを調べることもできます。
昔はメーカーコードは5桁だったのですが、企業数が増えて、今は8桁になってしまいました。また、企業コードは正確には国コードと合わせる形でGS1事業者コードと呼んでいます。GS1は国際流通標準化機関で、全世界の流通バーコードの管理を行っています。
ISBNコード
次に有名なのはISBNコードです。ぴんと来ない方もいるかもしれませんが、書籍用のバーコードで桁数は13桁です。固定数字の3桁と書籍情報の9桁、チェックディジットの1桁で構成されています。
ちなみに本を見るとわかると思いますが、2つのバーコードが表示されています。これは2行目は図書分類と税抜き価格が表示されおり、この2つを読み取ることで、商品の基本情報がすぐにわかるというものです。ちょっとITになりますが、AmazonやGoogleブックスのAPIを使うとバーコードリーダーと連動して書籍情報がわかるので、自社の図書管理が楽になりそうです。
おまけの話をすると雑誌は雑誌コードと呼ばれるまた別のコードで雑誌コードと月号、年号、チェックディジットと本体価格が表示されています。お手元に本や雑誌があれば少し見てみてると何か発見があるかもしれません。
ITFコード
次はお仕事で関係していないとあまり気づかないかもしれませんが段ボール等に印字されているITFコードです。こちらは商品コードであるJANコードの先頭に1桁加えて荷姿を表すことができるバーコードです。企業間の取引単位である集合包装(ケースやパレットなど)で使います。規格も少しJANとは異なっており、Code2of5という形式で表示されています。
意外とこのITFコードの存在が知られておらず、集合包装の管理に苦労されている中小企業があるようです。そんなに難しい仕組みではないので、集合包装の管理をしたい場合はご検討ください。