前回に引き続き、会社でのスマホの利活用についてお話します。
前回は、図面共有についてお話しましたが、今回は現場での書類作成についてお話します。
簡単な情報はビジネスチャット
以前も少しお話しましたが、報連相レベルであれば、ビジネスチャットツールがとても便利です。朝礼や前日の昼の打合せで、決めた作業内容をToDoのようにまとめて共有しておき、終了ごとに消し込むことで作業進捗を見える化することができます。
現場での材料受入、重機や設備の搬入といった作業完了、急な作業変更といった端的な言葉で情報共有できるものもビジネスチャットでいいと思います。
ミニ書類はノーコード・ローコードツール
しかし、メモ帳1枚レベルだけど記録すべき項目がそこそこあって、しかもいくつかの項目は決まった内容を選んで記載するだけといったミニ書類作成というのも現場ではそれなりにあります。
具体的には材料受入の際の数量チェックや測量時の簡易なメモ、比較的軽微な品質管理記録といったものです。
もちろん、本格的な試験を必要とする品質試験も現場で記入する項目は意外と単純な数字といったことも少なくありません。基本これらは専用の用紙に手書きで記入しておくか、品質管理写真として黒板に記載して、写真を撮るといったことが多いのではないでしょうか。
現場での試験、特にコンクリートであれば、ソフトも出ているので導入を検討してもらうのも一つの手ですが、価格もそこそこするので、中小建設業で気軽にというわけにはいかないかもしれません。
そこで、自社で比較的多く行う試験やチェックリストをアプリにして利用するという方法として、ノーコード・ローコードツールの利用があります。
こちらであれば、比較的低価格で始めることができるうえに情報共有は簡単です。しかも、アプリっぽく作れるので、選択式やチェックリストといった入力支援も入れることができ、マスタとの連動も可能なので、入力負担も軽減できるうえに結果としてミスも減らすことができます。
料金をもう少し出すことができれば、帳票形式に出力といったことも可能になるサービスもあるので、現場で入力したら即帳票といったこともできます。
とはいえ、社内で誰かできる人がいないと開発コストがかかってしまいます。あまり凝ったものを作るのはお勧めできませんが、簡易なものであれば、各サービスが提供しているチュートリアルのような初心者向けの講座でできるようになりますので、そこから始めることをお勧めします。
はじめの一歩はフォームツール
そこまではできないけど、せめて、手書きをなくしたいというのであれば、GoogleフォームやMicrosoftフォームのようなフォーム作成ツールを使うのも一つです。選択肢やチェックボックスを組み合わせた入力フォームであれば、すぐに作れると思います。
データもGoogleスプレッドシートやエクセルファイルに出力できるので、集計やそのデータをもとにした帳票作成に役立てることができます。
こちらの場合はノーコード・ローコードツールより学習すべき内容は少ないので、ITが得手な人があまりいない企業でもお試しできると思います。
また、コストもほぼかからない場合が多いので、まずは試験運用的にフォームツールで行ってから、ノーコード・ローコードツールに移るといった方法もあります。いずれにしても手書きはなくなり、ミスはだいぶ減ると思うので、現場の負担軽減に役立ちますよ。