議事録(その2)

 前回、議事録を書く理由について、4つの目的をお話ししました。

・「会議の目的とその結果」を明示
・参加メンバーの合意書
・参加できなかった関係者への報連相
・忘備録

 目的がわかったのであれば、そのために議事録をどう書くのかを考えるのが重要になります。そこで今回は書き方について基本的なポイントをお話しします。

2.議事録の書き方

 議事録の書く内容には大きく必ず書くべき必須事項と状況によって書く任意事項の2種類にわかれます。では、それぞれの事項について具体的な内容を説明します。

(1) 必須事項

・タイトル、会議日時・場所、出席者
 基本中の基本です。しかし、意外と出席者が明記されていなかったり、場所が書いていなかったりします。1週間や1か月ならいいかもしれませんが1年2年とたったのち、見るときにどこでだれが参加していたかを知ることは会議の内容を思い出すのに重要な手掛かりとなります。

・議事次第
 要は会議を行う目的です。これもその時はわかっているのが当たり前なので欠落していることが多いのですが、ないと次の結論がどうして必要だったのかわからなくなります。議事録はできるだけコンパクトにまとめることが大切ですが、その記録だけでおおよそのことがわかるようにすることも大切です。

・結論(決定事項、保留事項、検討事項)
 悪い議事録はこれが議事した経緯のあとに掲載されている場合があります。上職者や関係者は「何が決まったのか」を知るのが一番大切です。時間のない人にとって、結論がわかりづらい議事録が一番困ります。だから、できるだけ最初のほうに書くとともに枠で囲んでみるとか下線を引く、そこだけ行間をあけるなど一目でわかる工夫をすることが重要です。

・次の課題(内容・役割分担・期限)
 これは会議によっては必須事項というわけではありませんがプロジェクト等の定例会議の場合、次にどのような内容を誰がいつまでにやることは次回の会議を円滑に行う上でとても重要です。特に定型業務でないことは、そのままだと誰もやりません。だからこそ、会議できちんと決めるとともにその決め事を明示することが大切です。

(2) 任意事項

・これまでの経緯(以前の議論との関連)
 先ほどお話ししたように議事録はそれ単独であるていどの内容が把握できることが望ましいです。そのためには前にどのような経緯があったから今回の結論になったということが重要な場合があります。特に会議の中で話題になった場合は必ず記載しましょう。

・検討の目的や背景
 これは会議の目的が部分的なものでしかない場合にその背景を書くことで読み手の理解を向上させるために書きます。もちろん、これも経緯同様、会議に出た場合は記載しましょう。

・問題点や課題、質疑応答など各自の発言
 普通の議事録はこれが多く書かれます。でも、これは上記の必須事項が結論がどうして決まったかを補足するものであり、メインではありません。どの人が発言したかが重要でなければ無記名で表現するほうが先入観を持たせない点ではいいでしょう。

・次回会合日時、場所、会合議事
 これは、議事録を連絡簿として使う場合やメンバーが集まりにくい場合には有効です。しかし、そうでない場合(定例等)なら次の課題が明示されていればあえて議事録に残すことでもないと思います。

 必須事項と主な任意事項を説明してきましたが、最大のポイントは必須事項と任意事項を混ぜて書くのではなく、最初に必須事項を書いたのち、任意事項を書くということです。

 忙しい人や関係の薄い人は必須事項だけ読み、そうでない人が任意事項を読むというようなスタイルにできることが読みやすい価値のある議事録の秘訣だと思います。

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