経営改善と業務改善(その7)

前回に引き続き、経営改善と業務改善についてお話します。

前回は改善のフォローや管理内容について、まずはIT環境の整備として、端末整備(スマホ準備、個人スマホへの支援)、お勧めのサービス(Googleスプレッドシート等)と周辺機器(モバイルキーボード)についてお話ししました。

今回はもう少し、具体的な利用方法についての注意事項をお話します。

上記でのお勧め内容は入門的な使い方なので、誰でも手軽に始めることができますが、その分使い勝手は今一歩かもしれません。そのために、より本格的にするにはPower AppsやKintoneのようなローコード開発ツールを利用したり、ワードプレスのようなCMSをカスタマイズして利用したり、専用サイトをつくったりすることが必要になってくるかもしれません。

しかし、いきなり状況を詳細に把握するために最初から費用と時間をかけて、入力環境を作るのはあまりお勧めしません。新しいことへの取組は小さく始めないと失敗することが多いからです。最初は関係者に慣れてもらうために既存業務(日報や作業記録)の置換か、項目を少なめにした簡易なところから始めてください。とはいえそれでも入力に戸惑う社員が少なくないかもしれません。

そこで最初に行う作業が操作教育です。パソコンに慣れている方ならいいですが、そうでない場合(スマホ中心の若手が意外とできない)は、キーボードの入力から教えたほうがいいことがあります。もちろん、単なる文字入力ではなく、英数字と日本語の切替、カタカタ変換・無変換といった操作、入力履歴を利用したり、ショートカットキーを利用することで入力量を減らすといった日本語入力ソフトの操作方法です。

また、Googleスプレッドシートのようなサービスを使う場合にパソコンのブラウザ経由だけでなく、スマホアプリでも入力できることやその操作方法、複数の人が同時に入力している場合の注意事項といった基本的なことから、必須項目のセルと任意項目のセル、修正していいセルとダメなセルといった入力シートごとでの約束事のようなことも操作指導の中で教えることが望ましいです。

進め方としては、できるだけ最初に集合教育で一斉に教えたうえで、習得度に応じて、個別指導を実施していくといった2段階の教育をお勧めしています。最初から個別指導だと会社全体で取り組んでいる実感が社員側に伝わりません。「もしかして、俺だけ(私だけ)」と思われるのも心外です。入力の主旨(目的・目標・成果還元)も含めた説明会のようなものと操作指導を一体的に行うと効果的です。

もし、時間的余裕があるならば、単に特定の改善実績取得のための操作指導だけでなく、そのソフトやアプリの基本操作そのものの指導してください。そうすれば、他の業務改善への応用に利用したり、その入力そのものの改善につながることも出てくる可能性があります。ただし、ITが不得手な人が多い場合はむしろ入力に関係ないことを覚えるのがつらくて、かえって逆効果になる場合もあります。この場合は、操作指導は入力に必要な最小限に絞り込んで指導してもらい、改善実績の入力操作をきちんとできるようにすることを最初の目標にしましょう。

もちろん、入力画面はできるだけ容易に入力できるような工夫もしましょう。数字だけで入力できるとか、入力規則でリストから選ぶだけでするようなことも負担軽減になります。このあたりはITが得手な人にはその作成ノウハウを教えておくと他の改善に利用してくれることがことがあります。

言い換えると全体説明と全体指導を行った後、個別指導は不得手な人にはより丁寧に基本操作を、得手な人には次のステップを意識した応用操作を指導するということです。

項目を少なく、操作をできるだけ簡単にしたうえで、操作指導もきちんと行うことが始めることが不慣れな人も巻き込んで、ムリなく始めるポイントだと思います。

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