経営改善と業務改善(その6)

前回に引き続き、経営改善と業務改善についてお話します。

前回は改善状況の把握と変更管理についてお話ししました。改善状況把握は会議等での聞き取りだけでなく、三現主義で現場で現物の現実を見ること、特に飾っていない素の状態を見るために抜き打ちを行うことも必要な話をしました。また、変更管理は手段、方針、目標と変える順番を間違えないことと原因をしっかり把握することをお話ししました。

今回はそのフォローや管理内容についてITをどう利活用するかについてお話します。(やっとIT登場です。)

前々回の指標管理の時に少しお話ししましたが、改善を年度末の最終結果だけでなく、途中経過を確認することでフォローや変更をしやすいこととそのために途中経過を把握できる指標(KPI)を設定したほうがよいことをお話ししました。その際にエクセル等で記入するといったことも言いましたが、今回はそのあたりをもう少し具体的にお話します。

建設業の場合、経営改善・業務改善では現場に出ている社員の進捗把握が重要となってきますが、現場の忙しく、かつ、水や土、ほこり等がある環境で状況把握のために用紙を記入するなんてことは避けたいです。以前に比べて、電子納品が当たり前となり、写真だけでなく、様々な施工記録も電子化が進んでいる以上、改善状況の把握も電子化したいところです。

まずは、IT環境整備として、ハードウェアとネットワーク整備ですが、先ほどの施工記録のために既にノートパソコンやタブレットを導入している企業であればまずはそれを利用しましょう。そうでない企業の場合は、個人所有もしくは会社貸与のスマホが最初の第1歩になります。スマホならネットワークも合わせて整備できているからお得です。個人所有の場合は、通信費の補助等で入力に対するインセンティブ(報奨)を検討してください。

次に入力するためのITツール側ですが、一番導入しやすそうなのが、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートです。ファイル共有はもちろん、リアルタイム更新が可能なので、入力後即内容を確認できます。ただし、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントを使う際に注意事項が2つあります。

1つはエクセルやワードで作ったものをそのまま使わないことです。エクセルやワードで作ったものをGoogleドライブにアップロードして、使ってもらおうとしても共有編集ができませんので、共有する前に一度、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントの形式に変換する必要があります。エクセルやワードの状態でもただのファイル共有はできます。(オンラインストレージとして利用する場合はこれでOK)しかし、今回は編集も共有できるように必要があるので、変換は不可欠です。注意してください。また、この時に書式や一部の関数がうまく機能しない場合もあるので、必ず、変換した後で動作確認をしてから共有してください。

もう一つは、共有の際にリンクを取得で安易に誰でも開けないようにしましょう。リンクは知っていれば誰でもあけることができるようになります。内容が問題ないモノでもあまり望ましくないので、きちんとユーザーを指定して編集者や閲覧者といった権限の管理を行うようにしてください。そのためには関係者全員のGoogleアカウントを作成することも忘れないでください。

あと留意してほしいこととして、スマホの場合は入力に負担がかかりやすいので、できるだけ選択肢を選ぶだけとか、記号だけで済ませるとか入力シートを工夫してください。少しがんばってもらって、Googleフォームのような入力しやすい画面を別途用意できるとなおよいです。

どうしても入力をある程度の量してほしい場合は、スマホ用のモバイルキーボードの導入を検討してください。折りたたみ式でbluetooth接続のものだと持ち運びやすく、使いたいときだけ利用できるので、お勧めしています。

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