経営改善と業務改善(その8)

前回に引き続き、経営改善と業務改善についてお話します。

前回はITツールの利用向上のためにまずは操作教育からということと集合教育、個別教育の重要性についてお話ししました。また、操作教育だけでなく、操作しやすいツール側の支援(ボタンやリストボックス等)も必要な話しもしました。今回はその続きです。

まずは、操作教育の補足ですが、意外とできていないことで大切なことがあります。それはエラー時の対応です。品質が良く、多くの人に使われているソフト、アプリ、サービスであれば、エラーメッセージや警告メッセージがでるので、その内容を読んで、手順を踏めば問題ありません。とはいえ、出ただけでパニックになる初心者もいるので、どんな時にどんなエラーや警告が出るか事前に説明しておくことが望ましいです。

さらに、自社開発やあまりメジャーでないソフトではメッセージなしで突然止まるとか入力を拒否されることも少なくありません。初心者がIT嫌いになる理由の一つです。

特に必須項目の未入力や項目の文字制限(文字数や文字種類【英数字だけとか全角とか】)は慣れた人でも間違うことが多いので、入力条件を一覧表にした簡単な注意書きを用意すると便利です。操作教育時に手元に置けると安心です。エラーメッセージ集のようなものが整備できるとなおよいです。

また、操作によってはショートカットキーを利用したほうがいい場合もあるので、チートシート(よく使う操作や記述をまとめた資料)を用意しておくのもいいと思います。

そうはいっても、やってはいけないことをやってしまうのが初心者であり、対応できないのも初心者です。少し得手な人にフォローをしてもらう仕組みを社内でつくりましょう。仕組みというのは対応はあくまで業務と定義し、親切をしたせいで上司ににらまれるといった損な役回りにしないようにすることとサンクスカードのようなフォローを評価できるようにするとより明確になり、社内全体での納得感も増すと思います。

エラー対応やショートカットキー等の操作習得は一つ覚えると他のソフト、アプリ、サービスにも使えることが多いので、応用が利きやすいです。このあたりも操作教育時に説明しておくといいです。(一粒で二度おいしいを言うとやる気が出ます)

さて、個別指導をしたいが、現場だったり、支店・営業所だったりして直接指導が難しい場合はどうしたらいいでしょうか。お勧めはWeb会議ツールです。なので、会社として明らかに個別指導のときに直接指導が難しい人が多くいることがわかっている場合は、できるだけ早い段階でこのWeb会議ツールの操作方法を習得してもらいましょう。

画面共有を使えば、操作が目の前で行ってもらえるので注意もしやすいですし、相手の顔を見れば、納得感のレベルやわかっているかどうかの判断もしやすいです。操作は一般のアプリより簡単なことが多いので、最初に覚えてもらうのでもいいかもしれません。

ただし、現場のようにネット環境が不十分な場合は回線速度が遅くてビデオが見えない場合もあるので、音声と画面共有での対応も練習しておくことをお勧めします。(ビデオより画面共有のほうが通信量は少ない)

操作教育は社員全員が一定レベルになることが重要なので、経営陣や幹部だからといって不要ということはありません。むしろ、IT化があまり進んでいない企業では経営陣や幹部からの積極的な発信が重要になります。つまり、入力操作になれるのはまずは経営陣、幹部からのほうが望ましいということです。

「私は情報を受け取る側だから」といって、操作教育を怠けると情報の双方向性が失われます。結果として、「何をやっても、評価されない」「こんなに入力しているのに何に使っているの」といったネガティブな思考に社員がなりがちです。これもIT化の失敗のよくある理由です。「IT化がダメだ」といった理由になるのも社員の勉強不足だけでなく、経営陣や幹部の理解が十分でないことが起因することを忘れないでください。

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