前回に引き続き、会社でのスマホの利活用についてお話します。
前回は、作業マニュアルについてお話しましたが、今回は緊急連絡体制についてお話します。
緊急連絡体制表
建設業において、緊急連絡体制表は建設業法でも労働安全衛生規則でも法的義務があり、事故や災害時の迅速な対応のためにも必須です。一般企業でもBCP(事業継続計画)における対応での緊急連絡体制は必須であり、参考になる部分は多いと思います。
特に台風・大雨等の荒天時は状況によって、現場に常駐して対応することが必要な現場もあります。地方自治体と災害協定を結んでいる場合は、人命救助やインフラ復旧なので率先して災害現場に向かう必要が出てきます。
この点は他の業種と少し異なることかもしれませんね。かく言う私も台風の際に現場に夜通しで常駐したり、大雨時に現場に向かったりしたことも何度かあります。
基本的に災害だけでなく、事故発生時の対応でも迅速な対応が不可欠なため、労災申請が多い建設業では緊急連絡体制をおろそかにすることはできません。家族を含む関係者への連絡はもとより、警察や消防、労基署、病院、さらには電気、水道、ガス、電話といったインフラ企業との連絡網は重要です。
国土交通省をはじめとして、多くのサイトでテンプレートやサンプルが配布されているので参考して作成しましょう。
協力業者との連絡
協力業者との連絡は職長だけでなく、企業本体との連絡も必要です。状況によっては応援をお願いするからです。
その際に休日や深夜といった事務所に連絡が届かない場合の連絡先も考慮しなくてはなりません。つまり、平時のメールや社用携帯だけでなく、個人携帯の電話番号も掲載しておくことも検討しておきましょう。もちろん、個人情報なので、取り扱いには十分注意する必要がありますが、緊急時にはいつでも見れるようにしておく仕組みを考えおくことは大切です。
スマホは直接の電話だけでなく、留守番電話やショートメッセージなど伝え方はいろいろです。どのようなキーワードで端的に情報を伝達するかを決めておく必要があります。安否確認や災害時の対応などいくつかのパターンがあると思うので、会社全体である程度ルールを決めておくことをお勧めします。
また、エマージェンシーコールやトヨクモ安否確認サービスのような専用の緊急連絡・安否確認アプリの導入もいいと思います。LINE WORKSのようなビジネスチャットで緊急連絡体制用のグループを作成するような方法でもありです。日ごろ使い慣れているアプリの方が、緊急時には利用しやすいこともあります。
防災訓練
防災訓練で消火器の利用や要救護者への対応といった練習だけでなく、スマホでの連絡やアプリの利用練習といったことも行っておくようにしましょう。スマホやアプリは準備があまり必要がないので、比較的簡単にいつでもできます。例えば、雨天で作業ができない時に訓練を予定しておくといった感じでもできますので、準備だけしておくとよいです。
スマホのカメラ機能やビデオ通話機能による精度の高い情報提供も緊急時には有効です。状況の伝達はもとより、事故現場に適切な対応がとれるものが不在だった時でも、遠隔操作といった形で指導を送ることが容易になります。練習の中に入れておくといざという時に役立つと思います。
ただし、気をつけたいのは、現場だけの緊急時であればあまり問題ないですが、広域な災害であれば、通信網がパンク状態になりやすく、動画のような情報量の多い通信はNGになります。
状況に応じて、テキストや音声のみでもきちんと情報を伝えることができるようにしておくほうがよいです。さらに大型な地震だと携帯回線自身がダメになるケースもあります。複数の携帯会社が使えるような体制(スマホ回線と別の会社のモバイルルーター)があるほうがいいです。
もしもの時は突然やってきます。定期的な練習が助かる命を助け最小限の被害にとどめることを忘れないでください。