前回に引き続き、会社でのスマホの利活用についてお話します。
前回、スマホと固定電話との連携についてお話ししました。今回はFAXについてお話しします。
日本ではFAXがまだまだ手放せない存在です。海外でも減っては来ていますが、それなりに利用はされているようです。
FAXのメリット、デメリット
FAXのメリットとして、届くと印刷物が出力されるため、見た目に届いたことがわかるのが一番大きいと思います。送信も紙をセットして、電話番号を入力もしくは電話帳を選択して、送信ボタンを押すだけの操作性が容易な点も使われている理由です。郵送に比べると圧倒的な速さで送れる点も多いですよね。
相手先が利用しているからという消極的な理由もありますが、意外な面として、セキュリティ対策として改ざんがしづらい点を上げている例もありました。
しかし、デメリットもあります。紙が出るということは紙を消費していることになりますし、インク代も必要です。また、複合機も印刷チャージがあるので、それなりの金額がかかります。
また、大量にFAXが届くような場合、紙詰まりや紙切れの心配もあります。電子データだとパソコンからFAXへ直接出力する場合ならいいですが、こちらも紙で一回出力する必要があります。送ったものが手元にあるといえば聞こえはいいですが、電子データで見れるものを紙にする必要性はあまりありません。
複合機での電子化
複合機は利用するが紙を残さない代替案として、複合機のPC-FAX機能を使って、送信はパソコンからFAXへ、受信は一旦複合機にPDFとして蓄えてもらい、パソコンから閲覧するという仕組みです。
休みの日や大量に注文が来る月末月初だけでもこの機能を有効にするだけで大きな効果があります。
「スマホは関係なさそうだけど」と言われそうですが、FAXで来てしまったものを見れずに困った経験はないでしょうか。上記のPC-FAX機能も設定すれば外部共有できる仕組みも作れますが基本は、社内もしくは事務所で見るしかないのです。
インターネットFAX
そこで、インターネットFAXです。インターネットを介して、FAXのような送受信ができる仕組みです。
Web上の管理画面にPDFを送るか、特定アドレスへのメールの添付ファイルの形で、FAXしたい内容を送付するだけで相手に届きます。逆に相手がFAXした時もこちらはネット上の仮想FAXで受信してPDF化しているので外出先でもスマホでも見れるのです。
相手の環境を変えることなくFAXができるので、メールにしてほしいとかWebでのやり取りにしたいとかお願いする必要がありません。テレワークでも困ることがないので、現場からの直行直帰にも対応できます。
もちろん、利用費用が掛かりますし、手書きは逆に一度スキャナーで電子化する必要があるといったデメリットもあります。しかし、FAXが多い企業では、複合機に行くことなく、自分のPCやスマホでFAX送受信ができるので、作業効率は確実にあがると思います。それだけでも費用対効果が出るのではないでしょうか。
できれば、メールでのやりとり、さらにはEDIや複数企業でのビジネスチャットのような仕組みのほうがより細かく、確実に情報の受け渡しができます。
とはいえ、多くの小規模企業はまだFAXが手放せない状況にあり、強制が難しいのも事実です。相手がステップアップするのを待つことなく、自社がインターネットFAXで省力化を進めておくという手段もあるということを知ってもらえると幸いです。