パソコン選の選び方については、前々回・前回で、ハード・ソフトのチェックポイントと購入時の注意点をまとめました。
次はデスクトップタイプとノートタイプの特徴、チェックポイントをお話しようと思います。まず今回は、デスクトップタイプのパソコン選びについてです。
デスクトップパソコン選びで、最大のポイントとなるのは価格です。
低価格帯としては、最小限のソフトしかインストールされていませんが、液晶ディスプレイ付で10万円以下のパソコンを購入できます。
10万円以下というのは全額損金扱い、つまり購入年で償却が可能。固定資産としての管理が不要というメリットはもちろん、同価格のノートパソコンより高性能なパソコンを入手できます。
画面サイズも重要。CADを本格的にやるのであれば、17インチ以上が望ましいでしょう。できれば19インチや21インチが理想ですが、デスクトップパソコンは後からディスプレイだけ交換が可能ですので、予算に合わせてステップアップする(1年目が本体と15インチディスプレイ、2年目が大型ディスプレイ)という購入方法もできます。
拡張性は、確実にデスクトップのほうが高いです。初心者ですと、パソコン本体のケースを開けて拡張ボードを取り付けたり、ハードディスクやメモリを増設をするという作業は難しいかもしれません。しかし、社内に1人でもできる人がいれば、ボードの追加による拡張や内蔵機器の交換による延命は、ノートパソコンにはないメリットです。交換によるグレードアップは、資産活用の意味でもメリットでしょう。
最近では、DVD系保存リムーバブルドライブの存在も重要です。
パソコンの高性能化に伴い、作成するデータは肥大する一途です。特に、工事写真のデジタルカメラデータはあっという間に1GB、2GBになります。これらのバックアップをとるには、DVD?Rに代表されるDVD系保存メディアが欠かせません。これについては、ノートパソコンでもありますが、デスクトップパソコンのほうがよいものがついている傾向が見られます。
電子納品には必須のアイテムですので、ハードディスクやCPUの性能を落としてでも、DVD系保存メディアが使えるパソコンを購入するのがお勧めです。DVDの保存種類については、また別の機会にお話しようと思いますが、とりあえずはDVD?Rが作成可能であればよいでしょう。
価格と拡張性、同価格のノートパソコンに比して高機能。以上がデスクトップタイプのメリットですが、デメリットもあります。
まずは場所をとるということ。特に盗難の危険性がある現場事務所では、目立たないところに本体を置き、ディスプレイ、キーボード、マウスのみを机上に置くといった工夫が必要です。最近は足のつきやすい本体ではなく、ディスプレイや周辺機器が狙われると聞きますが、ご注意ください。
2番目にバッテリーがないこと。現場で電源供給が不安なところは、特に気をつけてください。電圧の変化だけでパソコンは止まってしまう場合があります。せっかくの入力データが消えるだけでなく、最悪の場合はハードディスクに傷がつき、再起不能となってしまう可能性も。UPS(無停電装置:略語で説明)購入を強くお勧めします。
もちろん、全部のパソコンにUPSを買うぐらいならノートパソコンを購入されたほうがよいと思いますが、C
AD専用やサーバー等、特定の目的でデスクトップパソコンを購入する場合は、ぜひUPSをセットで導入してください。
私自身、公私にわたって十数台のパソコンを操作していますが、停電によるデータ喪失やハードディスクの破損を数回経験しています。特にハードディスク破損はとても衝撃的で、復旧作業とショックから立ち直るのに数日を要してしまい、業務になりませんでした。みなさんは同様の経験をしないようにしてください。
選び方をまとめると、価格を念頭に置きつつ、ディスプレイサイズとDVD系保存ドライブを主に選ぶ。そして、設置場所と電源対応を忘れないようにということです。
次回はノートタイプの選び方についてお話します。