今回もパソコンの選び方の番外編として、リムーバブルメディアに関するお話しをします。
今回も個別のメディアについて紹介します。
(2) USBフラッシュドライブ(USBメモリ)
SDメモリカードほど、いろいろな機器に使われていないですが、手軽にデータを移動できるメディアとして活躍しているのがUSBメモリです。正式にはUSBフラッシュドライブと呼ばれるのですが、日本ではUSBメモリが定着しているのでこちらの呼称でお話ししていきます。
最近はDVDやブルーレイといった光ディスクを読み取るドライブがノートパソコンだけでなく、デスクトップでも減ってきています。ハードディスクの大容量化だけでなく、オンラインストレージによるバックアップもできるようになり、音楽CDやDVDもネット配信に代わったことが背景にあると思いますが、ノートパソコンでは、ドライブを使わないことによる省電力化や故障の低減も理由にありそうです。
そのために増えてきたのがUSBメモリです。先ほど記述したオンラインストレージの利用もあって、盗難や紛失の可能性をなくすために、以前ほどは使われていないようですが、それでも新しいOSやソフトのインストール、通信環境がないところでのデータの受渡には活躍しています。また、少し専門的な使い方になりますが、ライブファイルというUSBメモリに自分のパソコン環境を構築することもできたり、特定のソフトを起動するためのカギ(ドングルと呼ばれる)にもなります。
USBメモリはSDカードと同様メモリ系に属しますので、コンパクトにできることや回転部がないので衝撃に強いことが魅力です。保存容量も年々増えてきており、2TBまでは販売されており、4TBも紹介されています。ちょっと前の共有ドライブの容量並みですが、値段はかなり高く、一般的に普及しているのは16GBから256GBのあたりだと思います。値段的には1GBあたり10円を切るようなものも出てきており、手軽に利用できるようになっています。
形状はUSB-Aタイプのコネクタがついたものが主流です。スマホ等のためにUSB-CやmicroUSBのコネクタのものもあります。変換ケーブル付きもあるので、用途に応じて選びましょう。接続形式(速度)はUSB3.0が主流ですが、廉価なものにはUSB2.0のものもあり、転送速度が遅いこともありますので、必ずパッケージ等を確認してください。
また、盗難防止用に暗号化できるものやウイルス感染をしないようにウイルスチェック機能がついたもの、指紋認証でデータを取り出せるような仕組みがついているものもあります。重要なデータを保存するのであれば、値段は高いですが、状況によって購入を検討してください。サイズも指の先より小さいものもあり携帯性はとても高いです。
いいことばかりのようですが、欠点もあります。書換回数や保存期間がハードディスクに比べると少なく、短いです。そのため突然読み取れなくといった事態に陥ることもあります。また、カバン等で持ち歩いているときに静電気の影響を受けたり、変な圧力を受けて、読み書きができなくなる場合もあります。
そのために基本的にはデータ移動用のメディアとして使ってもらい、常時入れておきたいデータに関しては別メディアでバックアップを取るといった対策をこまめにやることをお勧めします。
あと、ファイルシステムの制約上、FAT32という形式でファイルサイズが4GB以上のファイルが使えません。exFATやNTFSといった形式に変更する必要があり、この形式が読み書きできない機器があるので、各機器の取扱説明書等をよく読んでください。大きな容量のファイルを使わないのであれば、FAT32でも大きな問題はありません。