前回に引き続き、ノートパソコンの選び方を紹介します。前回は重量やバッテリー、キーボードといったノートパソコンの外身の話をしました。
今回は、メインの外身になるディスプレイとその中身になるビデオカードについてお話します。
ディスプレイサイズ
まずはディスプレイですが、一番はサイズです。まずサイズはインチで示すこととディスプレイの対角線の長さで表すことを覚えておいてください。
で、サイズですが、小型のものだと10インチぐらいからありますし、大きいものは17インチのものもあります。一般的にモバイルと呼ばれるものだと13.3インチ、据置型と呼ばれるものは15.6インチが多いと思います。まずはこのどちらかが目安と考えてください。
ディスプレイの解像度
次に解像度です。解像度は一般的には一定の長さに並ぶ画素数いわゆる表示する点の数をいいますが、パソコンの解像度というと単純にディスプレイを構成する縦と横の点の数を示します。この違いがわからずに「解像度?」とピンと来ない人がいるので、初心者の方には説明をしてください。
以前は縦横比が4対3だったのですが、今は16対9が主流で、サイズとしては、フルHDと呼ばれる1920×1080が人気で、モバイルで画面サイズが小さいと1366×768(FWXGA)もしくは1280×720(HD)となります。
おまけの話ですが、768というのは変な数字ですよね。実は昔XGAという規格があって、そのサイズが1024×768の4対3でした。これを縦の点の数を固定して、横を調整することで16対9にしたのが1366×768なのです。
元に戻して、選ぶ際の注意事項ですが、画面サイズが小さく、解像度は高いと見た目はきれいですが、標準設定だと一文字ごとが小さく表示されます。言い換えると画像や動画を見る分には見やすいですが、文書や表計算をする際には目に負担がかかるということです。ビジネスという点では文書、表計算は多く使うのでは重要な視点になります。
画面の文字が小さいときの対処法
「画面が小さく、解像度が高いと年配には辛いだけなの」といわれる方もいるかもしれませんが、Windows側のディスプレイ設定にある表示スケールを変更して、125%とか150%に変更することで文字を拡大し、見やすくすることができます。自分の目にあった文字サイズでみることができるので、解像度が高くても心配はあまりしないでください。ただし、この設定を知らないとつらい思いをするので、設定方法を覚えることをお勧めします。
また、解像度が高い(点の数が多い)と当然、価格も高くなります。先ほどの解像度と画面サイズの組み合わせでいくと13.3インチで低価格だと1366×768、高価格だと1920×1080の組合せが多いようです。
あと、ディスプレイの仕様として、HDRというものがあります。HDR対応だと、明暗の幅が広いために映像がよりくっきり見えるというものです。映像系を中心にやる場合は重要ですが、文書や表計算にはあまり関係はないと思います。同様にビット深度やフレームレート、色域という仕様もありますが、映像系でなければ重要視しなくても大丈夫です。
内蔵ビデオカード
内部の機能としてはビデオカードがあります。最近のCPUは、ほぼビデオ機能が内蔵されており、独立したビデオカードを用意していることは少ないです。
ただし、CADや画像編集を行うと独立したビデオカードができるだけあったほうが望ましいです。理由は2つあって、ひとつは、内蔵ビデオカードはメインメモリをCPUと共有するため、画像を展開するメモリが少なくなることです。独立したビデオカードは自分専用のメモリをもっているので、この点は安心です。
もう一つは描画専用に作られたビデオカードがあれば、描画が高速になるので、作業効率が高いということです。とはいえ、2次元CADで解像度が高くない状態で作業するのであれば、そこまで作業性が悪いというわけではありません。むしろ画面が小さい方が負担感が大きいと思います。
独立したビデオカードがあると欠点もあります。それは、熱くなることとバッテリーの持ちが悪くなることです。熱さはファン等である程度緩和されますが、それでも膝に乗せるのは危険な熱さになることもあります。また、バッテリーのもちは致命的なので、持ち運び用にはお勧めできません。
なので、文書や表計算作成が中心で写真整理をする程度であれば、専用のビデオカードがなくても問題なく、据え置き型で3次元CADや動画編集をする方なら、検討の価値があるといったところだと思います。