今回はパソコンの選び方の番外編として、ディスプレイ(モニタ)の選び方に関するポイントを紹介します。
テレビが4Kという解像度、さらに有機ELによる発色性のよさから色域(色を表現できる範囲)が広がったことでディスプレイ選びもいろいろな視点からチェックする必要性が出てきました。
デスクトップ型の場合、パソコン本体は買い替えてもディスプレイはそのまま使うことも多いため、長期間使うことを前提に選ぶことが大切です。今回は画質に関する項目を中心に紹介をしていきます。
(1) 画面解像度
まずは解像度です。こちらは先ほど既述したように4Kと呼ばれる3840×2160の画素(ピクセル)数のものが増えてきました。略称でQFHD(Quad Full HD)と呼ばれており、ちょうど、フルHD(1920×1080)の4倍となっています。
これ以外にもHD(1280×720)の4倍にあたる2560×1440(WQHD)やそれをさらに横方向に広げた3440×1440(UWQHD)というのも出てきています。ゲームや3DCGといった分野でより細かい画素数を求められた結果です。ちなみにスマホのXperia 1は3840×1644とちょっと短辺方向は少なめですが、4K近くになっています。
解像度は本来は画面密度1インチ当たりのドットもしくはピクセル数で表すことなのですが、慣用的に画素数をしめしています。
(2) 色深度
次に色深度です。従来はRGB(赤、緑、青)の各色でそれぞれ8ビット(2の8乗なので256段階)の色の組み合わせができるフルカラーと呼ばれる色の組み合わせが一般的でした。この組み合わせで実際に表示できる色は256色の3乗なので16,777,216色の色を表現できることができました。
しかし、暗がりでの色をより際立たせるためにはさらに細かい色が必要となり、各色が10ビット、12ビット、16ビットの定義も出ています。これらをディープカラーと呼んでいます。ディスプレイでは10bit(3色合計で30bit)のものが販売されており、約10億色の表現ができるようになっています。
(3) 色域
色の表現をできる範囲です。人間が識別できる色の範囲(可視領域)で特定の領域を示したものです。従来のsRGBという範囲は意外と狭いため、印刷業界ではAdobeRGBを使っていました。これにさらにスーパーハイビジョン用のRec.2020という規格ができています。この規格だと自然界の色の実に99.9%の色彩を表現できるそうです。
少し補足説明すると色域は色を表現できる範囲で、色深度はその細かさです。色域は広いけど色深度が浅ければ、隣の色との差は出やすいです。極端な話、深度が浅いと赤の隣がいきなり青ということになるということです。色域を広げるには色深度も深いほうがいいということです。
残念ながら一般的なディスプレイはAdobeRGBへの対応まででスーパーハイビジョンと同等なのはまだ先になりそうです。
(4) 輝度
輝度はディスプレイの明るさです。単に明るいというわけではなく、真っ暗からすごく明るいまでの範囲をいいます。明るさの幅をダイナミックレンジと呼び、従来のダイナミックレンジより大きな範囲であるHDRと呼ばれる規格が出ています。ちなみに従来の幅は10の3乗、HDRは10の5乗、人間の視覚は10の12乗とまだまだ人間の能力には遠いですが、従来より100倍広がったので、日陰や夜空がより鮮明に見えることになります。
HDRはもともとUltra HD Blurayの規格なので、ディスプレイ用規格はDisplayHDRといいます。400,600,1000となっており、仕様は色深度や色域、応答速度なども含めて決められているのですが、数字は輝度です。大きいほどきれいと思えばOKです。
おまけの話ですが、海外ではモニタ、国内ではディスプレイの表現が多いようです。メーカーのサイトを見比べるとよくわかります。とりあえず、今回はディスプレイの表現で書きました。