今回もパソコンの選び方の番外編として、ディスプレイ(モニタ)の選び方に関するポイントを紹介します。
前回は入力端子の話をしました。今回は見やすさについてお話しをしていきます。
(10) 視野角・コントラスト比
前々回のパネルの際に少しお話ししましたが、視野角とは斜めから見ても画面の内容が見える範囲のことをいいます。上下と左右でそれぞれ表現をします。パネルがIPSの場合、178度(ほとんど真横)からでも見えることが可能です。この視野角がせまいと少し斜めから見ても色が変わって見える(色度変位)がおきます。
現実的には見づらいので真横からは見ないですが、CAD図面や書類を複数の人と一緒に見るときには視野角が広いと便利です。カタログに記載されていることも多いですが、不明な場合はパネルの種類を参考にしてください。
コントラスト比はディスプレイに表示される画像の明暗の差を示すものです。1000:1といった表記になります。数字が大きいほどメリハリが出てくっきり見えます。図面などは高いほどいいと思いますが、映像の場合は鮮やかすぎてと感じる場合もあるかもしれませんね。
ここで注意してほしいのは似たような表記でダイナミックコントラスト比があります。こちらは後で説明するバックライトを一番明るくしたときと暗くしたときの明暗の差を示しているものです。こちらの数字は当然10000:1とコントラスト比より大きな数字になりますが普通バックライトの明るさは一定で使用するので参考にしないようにしましょう。このダイナミックコントラスト比と見分けるために普通のコントラスト比をネイティブコントラスト比と呼ぶこともあります。
今回は液晶ディスプレイの紹介なので、割とネイティブコントラスト比がかかれていることが多いと思いますが、プロジェクターの場合はダイナミックコントラスト比が記載されていることが多いので注意してください。
選択の目安としては1000:1以上ですが、ほぼこれはクリアしていることが多いです。念のために確認する程度でOKです。
(11) バックライト
液晶パネル自体は発光しないので、バックライトと呼ばれるライトがパネルの背面についており、こちらが照射されることで明るさを確保します。以上少しお話しした輝度が大きいほど明るいということになります。室外のように外部が明るい場合、輝度が低くととても見づらくなります。
単位としてはcd/m2、一平方メートルあたりのカンデラ数で表しますが、室内であれば250cd/m2、室外だと400cd/m2以上あると望ましいので、どちらで使うかを目安に選んでください。ちなみに輝度は基本的には調整できるので、室外利用の可能性がある場合は大きいものを選んでください。
なお、バックライト装置の種類としては以前からある陰極管タイプと最近主流のLEDタイプがあります。LEDは衝撃に強く、省電力で薄型、軽量とメリットが多いことからこちらを選ぶようにしてください。
(12) 表面処理
表面処理とは耐衝撃やキズ防止というよりは光沢か非光沢かということで選びます。光沢をグレア、非光沢をノングレアと呼ぶこともあります。ちなみにグレア(glare)はまぶしさを意味します。
光沢のほうが動画のメリハリが利いて、映画鑑賞に向いていますが、背景(自分の顔とか)の映り込みがあるのと目が疲れやすいのでビジネス向けではありません。非光沢はメリハリは欠けますが、目が疲れにくいので、CAD・文書作成などのビジネス向けです。宣伝用に動画を流すようなことをしない限りは非光沢を選ぶことをお勧めします。