パソコンの選び方2019(その7)

引き続き、パソコンの選び方を紹介します。今回は最近ご相談の多い、内蔵系のインターフェイス(他の機器との接続)に関してお話しします。

内蔵系といえば、ハードディスク、SDDですね。それと少し減っては来ていますが、建設業では電子納品に不可欠な光学ドライブもです。特にこのSDDが最近急速に値段を下げてきており、容量的にも一般的な作業なら問題ない状態になってきています。とはいえ、大容量ならまだまだハードディスクに分があるので、両方を入れているものもあります。OS、ソフト系をSDD、データをハードディスクといった使い方です。

後はデスクトップ型限定になりますが、拡張ボードを追加できるインターフェイスをあります。こちらも併せて紹介します。

内蔵系のスピードは操作感を左右する大事な要素なのですが、意外と種類を知らない人が多いです。外部と違って、簡単にみることができないので仕様を調べるか、デバイスマネージャーを見ないといけないからです。ちょっと初心者には難しいですよね。

・SCSI,IDE,E-IDE
まずは少し古いモノを簡単に紹介すると前回紹介したSCSIは内蔵タイプもあります。IDEやE-IDEと呼ばれる接続方法もありました。IDEは1994年に規格になりましたが、最初は504MBまでしか拡張できないのをE-IDEで突破できるようにしました。ただし、規格はATAと呼ばれています。これらを後述する規格と分けるためパラレルATA(PATA)と呼ぶこともあります。2つの接続箇所から2台ずつつなげることができ、合計4台接続可能です。接続系統をプライマリとセカンダリ、1台めをマスター、2台めをスレーブと呼んでいました。
2019年現在はあまり見かけません。

・シリアルATA、eSATA
次はシリアルATA(SATA)です。こちらは現在でもよく使われています。SATA Revision 1.0が2003年、2.0が2004年、3.0が2009年に策定され、実効転送速度が600MB/sとなっています。先ほどのE-IDEの規格ATA-7でUltraDMA6で、133.3MB/sですからだいぶ早くなっています。デスクトップ型ですと6個ぐらいついているのが多いようです。少ないと4個で、多いとSATA3.0が10個もついています。たまににSATA2.0が別についている場合がありますが速度が300MB/sと半分に落ちますので注意してください。主にハードディスクや光学ドライブ(ブルーレイやDVD)を接続します。SDDも接続できますが、後述する接続方法に変わりつつあります。なお、SATAにはeSATAと呼ばれる外付け用のものもあります。速度的にUSB3.0とほぼ同じぐらいなので利用している方は少ないようです。

・PCI Express,PCI,AGP
次はPCI Express(PCIe)です。これは1992年に既定されたPCIから発展した規格で、2019年現在は5.0(Gen5)まで規格がされています。レーンと呼ばれる伝送路を増やすことでさらに高速化できます。レーンは3.0(Gen3)まででx32(32本)、4.0(Gen4)以降はx64(64本)まで規格されていますが、3.0(Gen3)のx16(16本)が主流となっています。一方向で約16GB/sのスピードです。SATAよりもだいぶ早いですね。ちなみにPCI3.0は533MB/s(64bit)でした。

主に接続するのはビデオカードと呼ばれる映像を高速化、範囲拡大するものです。画像系ソフトやCADソフトを使うときの描画速度があるとないとで大きく変わります。一般家庭ですと3Dゲームですね。今後、三次元CADが普及してくるとより重要になってくると思います。それ以外にも高速なLANカードやUSBカードなどを拡張できます。残念ながらノートパソコンでは追加できませんが、デスクトップ型では後から追加もしくは交換ができるのでどんなものがついているかはぜひ確認してください。

ビデオカードの規格として以前はAGPと呼ばれる規格もありましたが現在はほとんど見かけません。

・M.2(旧称:NGFF)
最後はM.2です。これは前述したものと少し違い、物理的寸法いわゆるフォームファクタの規格です。2013年と比較的新しい規格なのですが形状や通信方法がいくつかあるのでちょっと複雑です。まず形状すが、幅が12,16,22,30mmの4種類、長さが16,26,30,38,42,60,80,110mmの8種類あります。幅と長さを組み合わせてType2242とかType2260、Type2280と呼びます。この3つが多いようです。

通信方法は前述した、SATAとPCIeがあり、さらにPCIeにはAHCIととNVM Express(NVMe)という通信規格があります。AHCIはもともとSATA用規格だったので、SATAはAHCIしかできず、PCIeも互換性からAHCIを使っていたのですが、SSDの高速化により性能を活かせなくなりNVMeが登場しました。少し高いですが、NVMeのほうをお勧めします。

いろいろ出てきて混乱しそうですが、早いのを望むのであれば、

・ハードディスクや光学ドライブ用はSATA3.0
・ビデオカード用はPCI Express3.0x16
・SSD用はM.2スロットでNVMe対応

ができるものを選んでください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする