今回もパソコンの選び方の番外編として、リムーバブルメディアに関するお話しをします。
前回は全体的な特徴と主な分類をお話ししました。今回からは個別のメディアについて紹介します。
(1) SD Memory Card(メモリカード)
メモリカードはたくさんの規格がありますが、現在、主流なのはSD Memory Card(SDカードとも呼ぶ)です。デジタルカメラやアンドロイド系のスマホ、ゲーム機、テレビ等にも広く使われています。
ちなみに同じ仲間にMMC(Multi Media Card)がありますが、最近はあまり見なくなっています。
少し前まではソニーのメモリスティックや東芝のスマートメディア、サンディスクのコンパクトフラッシュ、富士フィルムとオリンパスのxDピクチャーカードといろいろな種類のメモリカードがあり、それぞれが出していたカメラの記憶媒体として使われていましたが、最近は大容量、高速化したSDカードにほとんどが置き換わっていると思います。
読み書きの装置であるカードリーダーもパソコン内蔵型はSDカード一択が多いようです。ただし、外付けのカードリーダーにはまだ上記のカードを読み取れるものもあります。もし手元にないのであれば1つ購入されておくことをお勧めします。
さて、このSDカードですがサイズが3種類、規格が4種類あります。さらに、スピードが最低処理速度と最大速度の組合せがあり、少し複雑な体系になっています。
まずは、容量です。容量不足から徐々に増えてきたといった感じです。これはファイル形式に依存している部分もあり、そのあたりも併せて覚えておくといいと思います。
SD (最大 2GB) ファイル形式:FAT 1999年8月策定
SDHC(最大32GB) ファイル形式:FAT32 2006年1月策定
SDXC(最大 2TiB) ファイル形式:exFAT 2009年1月策定
SDUC(最大128TiB)ファイル形式:exFAT 2018年6月策定
ちなみにSDUCは日本では現時点(2020/1)はまだ見当たりません。なお、容量的に対応していないカードリーダーではサイズは一緒でも読み書きができない場合があるので注意してください。
次にカードの物理的なサイズです。
SDメモリカード:W24mmD32.0mmH2.1mm SDからSDUCまで
miniSDカード :W20mmD21.5mmH1.4mm SDからSDHCまで
microSDカード :W11mmD15.0mmH1.0mm SDからSDUCまで
miniSDはサイズが中途半端なので、SDHCまでで終わってしまいました。大きさから見てもわかるようにSDメモリカードにminiSDもmicroSDも小さいため、変換アダプタを使うと、SDメモリカードのサイズになります。そのためにSDメモリカードサイズのリーダーとアダプタさえあれば一安心です。
スピードは最低転送速度を示す「SDスピードクラス」と「UHSスピードクラス」と「ビデオスピードクラス」の3種類に最大速度を示す規格である「UHS-I,UHS-II」があります。これが一番曲者でわかりづらいです。
まず、SDスピードクラスはSDHCとおなじときに策定されおり、クラスが2,4,6,10の4つでそれぞれがMB/secの数字を表しています。UHSスピードクラスは1,3の2種類で1が10MB/secとSDスピードクラスのCLASS10と同じです。3は30MB/secです。最後のビデオクラスは映像録画を意識したもので、V6,V10,V30,V60,V90の5種類で、数字がMB/secを意味しています。つまり、V10はClass10でもあり、UHSの1でもあるということです。
UHS-IとUHS-IIは物理的な規格なので、ピンの数が違います。しかし、下位互換がちゃんとできているので、Iのリーダーでも読めるようです。
スピードについてはいろいろ複雑ですが数字が大きいほど早いと思っていただければいいです。普通のフルHDの撮影であれば、CLASS10(U1,V10)で問題ありません。安いと速度が遅い場合があるのでこの数字を目安にしてください。
結論としては速度はCLASS10、あとは自分の機器がどの容量まで対応できているかを把握し、その容量以下で購入すればOKです。価格的には2020年1月現在では32GB,64GB,128GBがお買い得です。この3つは1GB当たりの単価がほぼ同じです。