引き続き、パソコンの選び方を紹介します。前回同様、インターフェイス(他の機器との接続)に関してです。
前回は有線LANでした。今回は画像映像関連、つまりディスプレイとの接続をお話しします。
2.ディスプレイ接続
ディスプレイ接続は大きく、アナログ系とデジタル系に分かれます。アナログ系はVGA(Video Graphics Array)端子と呼ばれるD-SUB15ピン(台形で5つの穴が3行並んでいる)形状のもの(アナログRGB端子と呼ぶこともある)とDVI(Digital Visual Interface)端子と呼ばれるものがあります。
DVIは実はアナログ専用のDVI-A(Analog)、デジタル専用のDVI-D(Digital)とアナログ、デジタル両用のDVI-I(Integrated)の3つがあります。形状は
DVI-A:上から5,3,4個の□穴と右に-穴とその上下に2つの□穴
DVI-D:上から8,8,8個の□穴と右に-穴
DVI-I:上から8,8,8個の□穴と右に-穴とその上下に2つの□穴
となっています。オマケの話として、アナログのビデオ端子として
・ハイビジョン用のD端子(D1からD5)とコンポーネント端子
・標準画質(SD)用のS-Video端子とコンポジット(RCA)端子
がありますが、あまりパソコンに搭載されていないので省略します。
デジタル系は上記のDVD-Dと別にHDMI DisplayPortがあります。最近は映像コンテンツの著作権保護のこともあり、パソコンもデジタル系だけがついているケースが多いです。実はHDMIとDisplayPortですが、両方とも映像だけでなく音声も伝送することができます。アナログ系はもちろん、DVI-Dも映像だけなので、ケーブルを少しでも減らしたい昨今の事情からHDMIとDisplayPortが主流です。
さて、ではデジタル系の主流であるHDMIをもう少し詳しくお話しします。HDMI(High-Definition Multimedia Interface)はその名のとおり、高精度でマルチメディア(映像・音声の両方)を伝送するための規格です。主にテレビとレコーダーやゲーム機などをつなぐために策定されました。まず形状としては
タイプA:標準 19ピン
タイプB:デュアルリンク 29ピン
タイプC:ミニHDMI Aより小型、ビデオカメラ等
タイプD:マイクロHDMI Bより小型、デジタルカメラ等
タイプE:自動車用
があります。BとEはあまり見ません。基本はAです。タブレットPCの場合、Cがつくことがあります。次にバージョンです。速度名称で呼ばれることもあります。
バージョン1.0,1.1,1.2:Standard
バージョン1.3,1.4,1.4a:High Speed
バージョン2.0,2.0a,2.0b:Premium High Speed(4K対応)
バージョン2.1:Ultra High Speed(8K対応)
ここでの4Kは3840×2160の画素数です。2160pという規格です。8Kは7680×4320の画素数です。4320pという規格です。
このタイプとバージョンの組合せで使うケーブルが変わります。パソコン端子としては4Kでなくてもいい気がしますが、デスクトップタイプだとディスプレイ側が4K対応になってきていますし、ノートパソコンでも4Kのものが出てきていますので、2.0を目安にするのがよさそうです。
DisplayPortはHDMIと違って、PC関連の規格として登場したものです。DVIの後継といった感じです。こちらもサイズが標準とミニがあり、バージョンは1.4まであります。4Kだと1.3、8Kだと1.4がいいです。HDMIと違って、ライセンス料はいらないのですが、ケーブル自体の製造コストが高いのとHDMIの普及が進んでおり、ビジネス用Windowsパソコンや一部のマックについているぐらいです。
ただし、マルチディスプレイを行う際に数珠つなぎで接続できるのです。つまりパソコン⇒ディスプレイ1⇒ディスプレイ2でパソコンから2本ケーブルが出ないので、すっきりします。とはいえ、そこまでスッキリしたい人は少ないかもしれませんが・・・。
結論としてはディスプレイ端子はHDMIでできれば2.0a以降に対応出れば望ましいといった感じですかね。