IT系資格について(その6)

今回もIT系資格について紹介します。前回に引き続き、民間資格のうちのベンダー資格についてお話しします。

前回はオラクルでしたが、今回は、ITSSに記載されていたネットワーク関連の4社のITベンダー資格について紹介します。

Cisco Systems(シスコシステムズ)の資格

まずは、シスコシステムズです。ネットワーク機器メーカーとしては世界最大の企業であり、業界では有名です。中小企業の方には、ヤマハやバッファローといったメーカーのほうがなじみが深いかもしれませんね。少し前の調査では日本では2位のシェアだったようです。

実はネットワークスキルを証明するための資格試験でも有名です。資格試験は、5つのレベルと8つの分野に分かれています。とはいえ40種類あるわけではなく、レベルが上がるにつれて細分化する形になっています。2020年に統廃合と新分野が追加されて、入門者(エントリー:レベル1)はCCT、初級者(アソシエイト:レベル2)はCCNAを目指すことになります。そのあとは中級者(プロフェッショナル:レベル3)、上級者(エキスパート:レベル4)となります。中級者、上級者は細分化していくので、より専門的な知識が必要になりますが、世界的な資格なので、有用だと思います。

※( )内の前半が資格の名称で、後半がITSSのレベルです。
※レベル5に相当するアーキテクトはITSSで対応付けられていない

VMware(ヴイエムウェア)の資格

次は、ヴイエムウェアです。VMwareはネットワークの仮想化市場としては世界でトップシェアをもっています。マイクロソフトのクラウドサービスであるAzureや日本の大手プロバイダーNiftyのクラウドサービスのニフクラなど多くのサービスで利用されています。ユーザーが気づかないうちに使っていることが多いかもしれません。

こちらの資格も2019年に見直しがあり、5つのレベルと7つの分野に分かれています。入門者(アソシエイト:レベル0)、初級者(プロフェッショナル:レベル2)、中級者(アドバンスドプロフェッショナル:レベル3)、上級者(エキスパート:レベル4)となっています。※エキスパートは2レベルあります。

Citrix Systems(シトリックスシステムズ)の資格

3つ目はシトリックスシステムズです。Citrixもネットワークの仮想化で有名な企業です。特にシンクライアントと呼ばれるユーザーが使うクライアント(パソコン)には最小限の処理だけさせ、サーバー側でほとんどの処理をすることでセキュリティを高める手法ではトップクラスのシェアがあります。

こちらの資格は3つのレベルと3つの分野に分かれています。メインとなる仮想化がITSSの対象です。内容も難しいこともあって、初級者(アソシエイト:レベル2)、中級者(プロフェッショナル:レベル3)、上級者(エキスパート:レベル4)となっています。

Red Hat(レッドハット)の資格

最後はレッドハットです。RedHatはIBMの子会社(2019年に買収)であり、Linuxのディストリビューションを提供している会社として有名です。JBossというミドルウェアの製品も出しており、仮想化やクラウドサービスも提供しています。以前は一般ユーザー向けの製品も提供していましたが、今は企業向けが中心です。

こちらの資格は4つのレベルと7つの分野に分かれています。さらに上級者は分野内でも細分化されているので、種類は多いです。初級者(レベル1:システム管理者)、中級者(レベル2:エンジニア)、上級者(レベル3:エキスパート)、最上級者(レベル4:アーキテクト)となっています。

どの資格も建設業を含む一般企業で取得をお勧めするものではありませんが、システム導入時にシステム開発もしくは提供側の実力をみる目安には使えます。どのような資格をもっているかを教えてもらい、ITSSのレベルと照らし合わせることで相手の実力を推定することに使えると思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする