IT系資格について(その4)

今回もIT系資格について紹介します。

前回はITスキル標準(ITSS)についてお話ししました。今回はこの中にあるスキルマップと資格の関係をまとめた資料を参考に民間資格を紹介します。

ベンダー資格とは

民間資格といいましたが、今回はその中でベンダー資格と呼ばれるものを紹介します。ベンダーとは販売元とか売り主とか言われる企業のことを示します。飲料業界では自動販売機のことを指しますが、IT業界では、ハードウェア、ソフトウェア、サービス等を販売する企業のことを指します。他の業界と区別するためにITベンダーと呼びます。

IT機器やソフトウェアは高価なものになるほど、複雑で十全に使いこなすのは大変です。どのような機能があり、どのような設定が必要かは、マニュアルだけではなかなか習得しにくいのが事実です。

そこで、ITベンダーは自社製品を使いこなすための情報をまとめて、使いこなすことができるかを確かめる手段として資格を提供しています。これがベンダー資格です。

ベンダー資格のメリット

ベンダー資格は公的資格と違って、汎用性はないですが、使いたいハードやソフトが使いこなせるのであれば、IT利活用としては、いい面が多いです。例えば、国家資格の基本情報技術者試験に、午後の問題分野として表計算があります。試験に汎用性を持たせるために、関数を使って合計を出す場合は、合計(セル範囲)と表現しますが、これを覚えても、エクセルの場合はSUM(セル範囲)なので、使えません。

微妙に引数(関数を計算するための範囲や条件)の並びを変えている場合もあるので、かえってエクセルを知っていると混乱することもあります。ベンダー資格はそのハードやソフトを使いこなすためのものなので、そのまま業務に役立てる点ではメリットが大きいと思います。

マイクロソフトの資格

今回はベンダー資格の中でも一番身近なマイクロソフトの資格を紹介します。マイクロソフトの資格は大きく利用者(ユーザー)と技術者の2種類に分かれます。

技術者向け

前回紹介したITSSには技術者向けの資格がランク指定されています。ランクの上から説明すると

レベル3 MCSE:マイクロソフト認定ソリューションエキスパート
レベル3 MCSD:マイクロソフト認定ソリューションデベロッパー
レベル2 MCSA:マイクロソフト認定ソリューションアソシエイト
レベル0 MTA:マイクロソフトテクノロジアソシエイト

になります。また、MTA、MCSAはクライアント、サーバー、データベース、開発にわたっていますが、MCSDは開発のみ、MCSEはサーバーとデータベースと分野が分かれています。さらに資格はそのソフトの種類によって細分化されているので、かなり多くの種類があります。

利用者向け

利用者向けはクラウドやサーバーアプリの資格もありますが、一番身近なのは、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)です。これは、エクセルやワード、パワーポイント、アクセスといった実際に業務で使うもの向けの資格です。

体系的に学べる点はいいのですが、自分が使いたい機能だけというわけにはいかないので、網羅的に機能を把握したいとか一ランク上の使いこなしをしたい人に向いています。やみくもに入門書や関数一覧を見るよりは実践的な内容が試験に出るので、実力を見える形にしたい人にもお勧めです。

さらにエクセル、ワード、アクセスは上級レベルのエキスパートというものもあります。また、エクセル、ワードのエキスパートとパワーポイントのスペシャリストに合格し、アクセスかアウトルックのスペシャリストに合格するとマスターという資格になります。

興味のある方は一度、ネットで調べてもいいですが、書店に行くと参考書がいろいろ出ているので、どのような内容か見ることをお勧めします。

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