建設系資格について(その7)

今回も建設系資格について紹介します。

前回は一級建築士、二級建築士、木造建築士、建築設備士という建築士法に基づく国家資格を紹介しました。今回はそれ以外の国家資格を紹介していきます。

まずは、測量士です。測量業者としては必ず営業所に1人必要な資格です。測量に関する専門知識をもった人の資格で、受験資格に制限はありませんが、勉強はなかなか大変です。測量士補と呼ばれるものもありますが、こちらは大学で測量学を学んだ人や高等専門学校の土木科卒業等の方が取得できます。

次に少し建設業から離れますが、密接な関係をしている資格として、不動産の評価をする不動産鑑定士、宅地や建物の取引を取り扱う宅地建物取引士、土地建物の調査測量と登記(公の帳簿に記録)を行う土地家屋調査士があります。宅地建物取引士は以前、宅地建物取引主任者と呼ばれていましたが、2015年に名称が変わりました。

少しややこしいのがその担当内容です。土地家屋調査士の測量は登記を目的としたものに特化しており、それ以外は基本測量士です。また、土地家屋調査士の調査は面積や境界といった現況で価格は不動産鑑定士です。さらにいうと、測量士、不動産鑑定士、宅地建物取扱士は管轄が国土交通省ですが、土地家屋調査士は法務省です。

この辺りは土木系の工事中心の企業ではあまり関係ないですが、建売住宅など土地を購入して、建物をつくり、販売する企業では重要な資格になります。とはいえ、不動産鑑定士と土地家屋調査士は専門業者にお願いすることが多いので、宅地建物取引士が取得対象です。

建設業も関係していますが、他の業種にも関係している資格としては、労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタント、作業環境測定士があります。

それぞれ、労働安全の診断や指導、労働衛生の診断や指導、職場の有害物質調査といった役割で、厚生労働省管轄の資格ですが、トンネルの粉じん濃度測定で作業環境測定士にお願いすることがありますし、労働安全コンサルタントは試験区分に土木・建築があるように職場環境の厳しい場所で働いている業種として認知されています。

土木系の方で大きな造成やトンネル関連で発破(岩石にあなをあけ、火薬を仕掛けて爆破すること)の工事に関わるとすると火薬類取扱保安責任者が必要になる場合があります。取扱う火薬の量で甲種と乙種に分かれます。火薬庫の管理(貯蔵・消費)の責任者として、配置が義務付けられているので、比較的お持ちの方も多いのではないでしょうか。

発破関連は他に火薬製造側の火薬類製造保安責任者、発破作業そのものを行う発破技士があります。火薬類製造保安責任者はその製造量で甲種、乙種、丙種があります。

電気工事関連なら、電気工事士という国家資格があります。第一種と第二種があり、一般住宅や小規模な店舗、事業所等の一般用は第二種で、それ以上なら第一種となります。また、電気保安の資格としては電気主任技術者という資格が別途あります。

国家資格の多さにびっくりしている方も多いと思いますが、それだけ専門知識が必要な作業が建設業には多いということです。資格取得はムリムリと思われている方でも、関連業務を行っているのであれば、市販テキストだけでも目を通すと勉強になり、仕事にプラスになります。お試しください。

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