IT系資格について(その7)

今回もIT系資格について紹介します。今回は、民間資格のうち、超上流工程に対応する資格についてお話しします。

超上流工程とは

超上流工程とは、マーケティング、セールス、コンサルタントといったシステム構築前の業務を指します。システム開発のスタートにあたるシステム設計を上流とするため、超上流と表現します。情報処理技術者試験では、ITストラテジスト(レベル4)が担当する範囲になります。今回は3つ紹介します。

ITコーディネータ

まず、最初の紹介はITコーディネータです。ITSSではレベル4にあたります。ITコーディネータは、ITと企業経営両方の知識を持ち、経営者の経営戦略を実現するIT化支援サービスを行う専門家のための資格で、経済産業省が後援していることもあり、民間資格でも比較的知名度が高いです。

試験は多肢選択問題を100問(専門スキルを持っている方は60問)で経営戦略・IT戦略から導入、利活用までの多岐にわたります。また、これとは別にケース研修と呼ばれる6日間のグループ討議や
ロールプレイを行う研修の受講が必須です。テストは19800円なのですが、研修が22万円もするため、資格取得を躊躇している方も少なくないようです。

ITPS(ITプランニングセールス)

二つ目はITPS(ITプランニングセールス)です。全日本能率連盟(略称:全能連)が認定する資格です。全能連は、経営やファイリング、生産関連の資格認定を行っており、50近くの資格があります。IT系でもDTP検定やWeb検定、システム管理者といったものもあります。ただし、試験運営そのものは各種団体が行っており、まとめ役といった感じです。

その中の一つがITPSです。日本経営管理協会が実施しています。ITPSはその上位資格としてITPSマスターとITPSマスター スーパーセールスというのがありますが、ITSSにマッピングされているのはITPSのみでレベル3になっています。 試験は知識試験120分(短答式)とスキル試験90分(論述形式)で行われ、60%以上正解で合格です。IT系企業の営業担当向け資格のようです。

IIBA認定ビジネスアナリシス

三つめはIIBA認定ビジネスアナリシスです。こちらはIIBA(International Institute of Business Analysis)という国際的な非営利団体が認定しており、カナダが本部で、日本に支部があります。業界的に有名なのが、経営分析の知識を体系化した、BABOK(バボック:Business Analysis Body of Knowledge)を発行しています。

ビジネスアナリシスの国際資格も認定しており、以下の3つの段階があります。

・ECBA(Entry Certificate in Business Analysis)
ITSSレベル2:初級
・CCBA (Certification of Competency in Business Analysis)
ITSSレベル3:業務実務者
・CBAP (Certified Business Analysis Professional)
ITSSレベル4:上級実務者

試験内容はBABOKに沿った内容で、受験に際して、実務経験や推薦状が必要です。ECBAは120問の四肢択一問題です。日本語で受験することが可能です。

どれも受験するには少しハードルが高いものばかりですが、受験用テキストを読むだけでも、勉強になると思います。経営的な視点でIT活用を考える立場にある方なら、一見の価値ありです。

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