今回もIT系資格について紹介します。今回はIT資格の中でも、デザインに関係する資格について紹介します。
意匠設計、構造設計、設備設計
建築業での設計業務は大きく、意匠設計、構造設計、設備設計に分かれます。意匠設計で建築物のデザインを行い、構造設計で構造計算により、耐震、耐風といった建築基準を満たす構造を設計し、最後に電気、空調、給排水、各種機械設備の配置・配管の設計を行います。
もちろん、簡単な構造ならともかく、それなりの規模や形状になると設備のために構造を変更したり、構造のために意匠を変更したりといった設計の見直しが行われるのが常です。
この意匠設計では、デザインソフトの使いこなしがとても重要になります。以前なら製図版の上で建築パースを作成したり、1/50や1/100の建築模型を段ボールやスチレンボード等を使って作成していましたが、今はほとんどコンピューターでデザインしていると思います。CADデータを利用して、3DCGを使うことも増えてきました。
もちろん、情報発信において、Webデザインも必須になってきています。今回はそれらに関する資格を紹介します。
デザインソフト(Photoshop、Illustrator)
まずは、Adobe Certified Professionalです。これは、アドビのベンダー資格で、以前はAdobe Certified Associateと呼ばれていましたが、2021年から改定されたようです。民間資格ですが国際資格でもあります。画像編集ソフト(正確にはビットマップ画像編集)Photoshopとイラスト制作(正確にはベクターイメージ編集)ソフトIllustrator、ビデオ編集ソフトPremiere Proの3つがあります。
建築ではIllustratorとPhotoshopで建築パースを書くことが増えていると思います。これ以外にもInDesignというレイアウトデザインソフトを使う場合もあるようです。CADデータをベースにする場合もありますが、スケッチ的なものから作る場合は専用のペンタブレットを使って、CADデータなしで作成しています。
ちなみに以前はこの下位試験でAdobe Certified Expertがあったのですが、現在は英語でしか受けられないようです。(英語版は上位に位置するっぽく、さらに上位のMasterもあります)
次は、Illustratorクリエイター能力認定試験です。サーティファイというビジネス能力認定をしている団体がおこなっている認定資格でスタンダードとエキスパートに分かれています。どちらも実技と実践があり、エキスパートに関しては、さらにデザイン知識に対する試験もあります。
同じ団体でPhotoshopクリエイター能力認定試験があり、こちらも同様の構成になっています。デザイン系だけではないのですが、Webクリエイター能力認定試験も行っており、Webページ作成に必要なHTML、CSS、レイアウト、デザイン等の知識をチェックします。
いずれにしても、ソフト操作が習得できているかがカギなので、操作勉強にも向いていると思います。
Webデザインの国家資格
Webデザインに関しては国家資格があります。以前も少し紹介しましたが、技能検定の中にウェブデザイン技能検定があります。1級から3級まであり、合格するとウェブデザイン技能士となります。ウェブ業界としては、唯一の国家資格のようです。国家資格だとなんかいいかもと思われる方はこちらを勉強してください。
デザイン系は以前に紹介したCG-ARTS検定もあります。こちらはもう少し範囲が広い気もしますが、勉強したい内容によっては合致するかもしれませんね。
今回紹介したものは、デザイナー向けですが、なければいけない資格ではありません。自分の技能の棚卸や網羅的に操作を学びたい人にお勧めします。