建設系資格について(その2)

今回も建設系資格について紹介します。

前回は認定側の機関を基準にした分類である国家資格、公的資格、民間資格と資格取得の方法の分類で特別教育、技能講習、免許があるとのお話をしました。今回はこの取得方法の話をもう少し詳しくお話していきます。

基本的に建設系資格に限らず、多くの資格は受験資格がある人が資格試験に合格し、認定されることになります。この受験資格は最終学歴の学科の種類や実務経験など様々な制約があり、誰でも受けることができない資格があります。もちろん、受験資格のない資格もあり、その中には国家資格もあります。公認会計士は難易度の高い資格試験で有名で、合格率5%前後の最難関資格ですが、受験資格はありません。

一方で、建設系資格は取得が比較的容易なものでも受験資格が必要なものが少なくありません。例えば、「型枠支保工の組立て等作業主任者」は技能講習という講習を2日受け、修了試験によって、取得できる資格です。学歴によって、期間に差がありますが、受験資格に実務経験が必須です。現場をまとめる「主任者」なので、実務が必要というのは納得ですが、難易度は高くないそうです。

では、特別教育と技能講習についてもう少し詳しくお話しをしていきます。

特別教育は労働安全衛生法に基づき、危険又は有害な業務に労働者をつかせる場合に事業者等が教育を行うことですが、登録教習機関等の講師に委託して行うこともあります。教育修了後に修了証を発行してもらうのですが、義務付けられているわけではなそうなので、修了証はない場合もあります。ただし、受講者名簿とその内容は記録と3年間の保存が義務付けられています。(労働安全衛生規則第38条)

教育は転職ごとにやったほうがよさそうですが、労働安全衛生規則37条で十分な知識及び技能を有していると認められる労働者は特別教育を省略できるというのがあり、他社で受講していれば、大丈夫そうです。ちなみに労働安全衛生規則第36条には52種類の特別教育が記載されています。

一方、技能講習は都道府県労働局長登録教習機関で、学科のみ、もしくは学科と実技の講習が行われ、修了試験に合格すると修了証がもらえます。前述したように受講資格がいるものといらないものがあるので、自分が取得したい資格が受講資格のあるものかどうかは必ず確認するようにしてください。

この修了証、少し昔までは作業中に原本を携帯する必要があったためことや1つの資格に1つの修了証だったこともあって、現場の資格保有者の方は、カードファイルのようなものにたくさんの修了証を入れて、胸ポケットに入れてました。汗や雨、汚れで歴史を感じさせる修了証を見せてもらったことが何度かあります。

現在は、技能講習修了証明書というカードで運転免許証のように保有資格に◆マークが入った1枚に統合されるようになりました。以前は「まとまるくんカード」と呼ばれていましたが、2011年に名称はなくなり(発行機関が変わったため)、統合カードと呼んでいます。

これ、全部に◆マークを入れて、フルビット統合カードと呼ぶ方もいるそうですが、全部で42もあるので、取得は大変だと思います。(自動車の免許でも同じことをしている強者がいるらしい・・)

技能講習で取得できる資格は大きく、建設関連機械の運転系(9)
と玉掛け、ガス溶接、ボイラー操作の作業系(3)、作業主任者(30)の3つに分かれます。作業主任者は現場で作業のまとめ役として必須の資格です(労働安全衛生法第14条)。一部、免許取得が必要なものもありますが、多くはこの技能講習で取得します。

特別教育、技能講習は現場で作業に従事する方には重要なものです。大手建設会社に就職するとこの辺りは未取得のまま現場でお仕事することになりますが、自分の関係する工種にはどんなものが必要なのか一度確認することをお勧めします。

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