IT系資格について(その8)

今回もIT系資格について紹介します。今回は、民間資格のうち、上流工程に関連する資格についてお話しします。

上流工程とは、システム設計です。職種だとITアーキテクトとITスペシャリスト、アプリケーションスペシャリストが該当します。ITアーキテクトとは、IT設計士ともいわれており、システムの設計技術者です。ITスペシャリストとは、ネットワークやデータベース、セキュリティといった分野別の専門家、アプリケーションスペシャリストが業務別の専門家といったところです。

上流工程関連はすでに紹介した情報処理技術者のシステムアーキテクトやシスコ、レッドハット、ヴイエムウェアの上級資格が該当します。今回はこれ以外に設計技術としての資格として、UMLモデリングとその関連資格を紹介します。

UMLとは、統一モデリング言語と呼ばれるシステム設計に使われる様々な内容を図式化するための言語です。言語といっても図の書き方のルールみないなものです。大きく分けるとシステムの内容を表す構造図(7種類)と動きを表す振る舞い図(7種類)にわかれます。

UMLはシステム設計の表現方法が乱立していた時代に標準化しようとIBMの技術者が作成し、ヒューレットパッカード社、IBM社、アップル社などが集まってできたOMG(Object Management Group)が管理しています

上流工程でよく使うのは使うのは振る舞い図の中にあるアクティビティ図とユースケース図です。アクティビティ図はフローチャート図と似たようなもので、業務の流れやプログラム制御を表現します。ユースケース図は特定の目的に応じた人とシステムの動きを表現します。

大雑把にいうと、アクティビティ図が全体的な流れ、ユースケース図が作業単位での動きといったところです。これらは、システムと人の動きを表すのに使うので、システム開発前の要件定義を行う際でも使うことができます。とっつきにくいですが、これだけ勉強するだけでも役に立つと思います。

日本でのUMLの資格はUMLモデリング推進協議会という団体が認定しています。UMTP(UML based Modeling Techonologies Promotion)のL1からL4の4段階に分かれており、それぞれがITSSのレベル1から4に該当しています。

L1:簡単なUMLモデルの意味が分かる
L2:UMLモデルの読み書きが普通にできる
L3:実務でモデリングが実践できる
L4:実践に基づいてモデリングを指導できる

となります。L1は選択式ですが、L4になると面談もあります。

これとは別にUMLの管理団体であるOMGも資格試験があります。こちらはOCUP(OMG Certified UML Professional)として、Fundamental(基礎:レベル1)、Intermediate(中級:レベル2)、Advanced(上級:レベル3)があります。国際資格です。

また、OMGには、これ以外にもBPM技術者、システムモデリング技術者、組込み技術者の資格試験がありますが、ITSSの対象から外れているようです。なお、BPMはビジネスプロセスマネジメントなので、上流工程向きの資格だと思います。

今回は専門用語が多すぎて、ピンとこない方も多いかもしれませんが、システム開発会社側に設計を依頼するときに上記の資格を持っていたり、UMLに準拠した図を持ってくるときに思い出してもらえると幸いです。

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