IT系資格について(その5)

今回もIT系資格について紹介します。

前回に引き続き、民間資格のうちのベンダー資格についてお話しします。

Oracleって会社

前回はマイクロソフトでしたが、今回はOracleです。建設業界のかただと「オラクルって何」という方も少なくないと思いますので、そこから紹介します。

オラクルは米国の会社で、世界初の商用データベースを発売したところです。その後、プログラム言語のJavaを開発したサン・マイクロシステムズを買収したことで、Javaの提供企業となり、そのサン・マイクロシステムズが買収していたMySQLというデータベースの提供企業でもあります。

商用データベースであるOrcale Databaseは、幅広いプラットフォームで動いていて、現在でもデータベースのトップシェアを確保しています。ちなみに2位がMySQL、3位がMicrosoft SQL Serverとのことなので、データベース業界での影響力はかなり強いということです。

みなさんも気づいていないかもしれませんが、自社の基幹システムや公式サイトのデータベースにOracle DatabaseやMySQLを使っている可能性はあります。これ以外にもクラウドサービスやそのほかのビジネスソフトも提供しているので、世界的に有名なITベンダーだと覚えておいてください。

オラクルマスター

さて、このOracle Databaseですが、操作を勉強するのはなかなか大変です。そのため、自社の認定資格をもっています。それがオラクルマスターです。20年以上の歴史があり、当初は日本限定資格でしたが、現在は世界資格と連動しています。

情報処理技術者試験の中に「データベーススペシャリスト」という高度試験があるのですが、現実の操作そのものも含めてテスト範囲になるオラクルマスターのほうが人気が高いようです。資格保有者が26万人を超えています。汎用的な知識を求めるか実務的な知識を求めるかが一つの分かれ目です。

試験のランクはBronze、Silver、Gold、Platinumの4つに分かれています。Bronzeはデータベースの基礎知識、Silverは運用管理の知識、Goldは設計含む管理者の知識、Platiumはデータベースのスペシャリストといった感じです。ちなみにITSSとの関係はBronzeがレベル1、Silverがレベル、Goldがレベル3、Platinumがレベル4でデータベーススペシャリストのレベル4と一致します。データベーススペシャリストは難易度が高いので、まずはデータベースの勉強といった感じでオラクルマスターを受験されている方も多いようです。

試験内容はちょっと前まではデータベースのバージョンが変わるたびに更新されていたのですが、2020年より改定されており、現在は、「ORACLE MASTER Silver DBA 2019」といった感じで西暦のついた資格名に変わっています。

データベースを直接触ることがなければ、取得は不要ですが、運悪く(?)、自社システムのデータベース管理者となり、かつ自社のデータベースがOracleだったとします。そんな時はトラブル対応をするために、Silverを取得しておくと初期対応がスムーズなうえに自社で対応できることが増えるので助かると思います。

その他のオラクル認定資格

また、オラクルはJava用にも認定資格があります。それが、OCJP(Oracle Certified Java Programmerの略)です。こちらは完全に開発者向けなので建設業界で取得されることはまれだと思いますが、ITSSには含まれているので、紹介します。

こちらは、Bronze、Silver、Goldの3段階で入門者向け、初級開発者向け、中上級開発者向けとなっています。Javaは汎用性が高く、基幹システムからWebシステムまで、幅広い範囲でシステム開発に使えます。興味のある方はBronzeから始めてみましょう。

ほかにもMySQL用やオラクルのクラウドサービス、SolarisというOS(こちらもサン・マイクロシステムズが開発)用の資格もありますが、少しマニアックになるので省略します。

もし、自社システムのデータベースがOracleでもう少し中身がわかれば、運用や操作で助かるのにと思う方がいらっしゃれば、チャレンジしてみてください。

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