IT系資格について(その9)

今回もIT系資格について紹介します。今回は、民間資格のうち、プロジェクト管理とIT全般を網羅している国際資格についてお話しします。

まずは、プロジェクト管理です。情報処理技術者試験では、プロジェクトマネージャーという国家資格がありますが、日本限定です。今回紹介するPMPはアメリカの非営利団体であるプロジェクトマネジメント協会が認定する民間資格ですが、200か国以上が会員になっている国際資格です。

正式にはProject Management Professionalで、まさにプロジェクトマネジメントのプロという意味です。試験自体は4択なのですが、実務経験が4500時間以上、プロジェクトマネジメント経験が36ヶ月以上必要で、35時間の研修を受けてからでないと受験資格を得られません。また、その範囲はITにとどまらないため、IT資格というのはちょっと変かもしれませんね。ちなみにITSSではレベル3に該当しています。

IT全般を網羅している民間資格とはCompTIA(コンプティア)と呼ばれる資格です。こちらも、コンピューティング技術産業協会という団体(The Computing Technology Industry Association)が認定している民間資格ですが、100か国以上が参加しており、国際資格として有名です。外資系IT企業だと情報処理技術者試験とは別に、取得を推奨していることが多いです。ベンダーに依存しないような内容になっているのも特徴です。

入門はIT Fundamentals(ITF+)で、学生やIT初心者向けの基本的にITリテラシーを確認する試験です。ITSSだとなんとレベル0です。

次にA+、Network+、Cloud Essentialというレベル1があります。A+は、PC、タブレット、スマホといったハードウェア、Windows,iOS,AndroidといったOS、さらにソフトウェア、周辺機器といったIT管理業務に必要な実務スキルを評価します。Network+はその名の通り、ネットワーク技術、Cloud Essentialはクラウドの基礎知識を確認します。いずれもIT1年生ぐらいの資格です。

レベル2は、Security+とServer+、Linux+で、セキュリティ関連の実務レベル、サーバー構築・運用の実務レベル、Linuxのシステム設計・構築の実務レベルを確認する資格です。

レベル3は、Cloud+,CySA+,Project+,CTT+です。Cloud+はクラウド運用やサービス提供の実務レベル、CySA+はCyberSecurity Analystの略でセキュリティ分析と全体の改善を実行する実務レベルを確認します。Project+はプロジェクトマネジメントのCompTIA版で、CTT+は、Certified Technical Trainerの略で、ITインストラクターの認定資格です。教える技術の資格は珍しいと思います。

ITSSには掲載されていませんが、これ以外にCASP+というセキュリティの5年実務経験者(IT全般は10年経験)向けの資格があります。CompTIA Advanced Security Practitionerの略になるのでまさに高度なセキュリティ熟練家向けの資格です。あと、同じくセキュリティの侵入テスト用の資格として、PenTest+があります。Penetration Testの略で、脆弱性を悪用した侵入テストを行うための知識を確認します。

かなり多くの種類がありますが、基本はITF+からスタートして、A+、Network+、Security+まで進みます。できればCloud Essentialもあるといいかもしれません。

その後、インフラ系に進むのであれば、Server+、Linux+、Cloud+を取得し、セキュリティ系に進むのであれば、PenTest+、CySA+、CASP+といった流れになるようです。Project+やCTT+は全般的な感じなので、この流れとは別に分類されています。

とはいってもITの専門家になるのでなければ、IT Fundamentalsを取得すれば十分です。クラウド系ならCloud Essentialですね。国際資格なので、海外の人にも通用する点がいいと思います。

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