IT系資格について(その3)

今回もIT系資格について紹介します。

前回はIT系資格の情報処理技術者以外の資格として、技術士、技能士、無線従事者を紹介しました。所轄官庁も多岐にわたり、どの資格がどのような難易度でどのあたりのIT分野を網羅しているのかがわかりにくいです。今回はそれらを整理しているITSSについてお話しします。

ITSSとは

ITSSとはITスキル標準の略で、経済産業省が策定しました。全部で11の職種、35の専門分野ごとに7段階のレベルを設定しており、どのレベルでどのようなスキルが必要かが体系立ててわかるようになっています。なお、7段階のレベルは

レベル1:指導の下で業務を実施
レベル2:ある範囲は独力で業務を実施
レベル3:業務を独力で実施
レベル4:業務範囲内で指導ができる
レベル5:社内でのトップクラス
レベル6:国内でのトップクラス
レベル7:世界に通用するクラス

となっています。このレベル表現はITだけでなく、他の業種でも使えそうですね。

スキル標準なので、この職種のこの分野のこのレベルの仕事をするには、このような経験と知識が必要で、そのためにどのようなスキルを身につけるべきかが各項目ごとに書かれています。熟達度として、○○ができれば、レベル5といった形の評価ができるようになっています。

もちろん、ハードウェア、ソフトウェアの知識だけでなく、プロジェクトマネジメントや戦略策定、法務知識など業務を遂行するにあたって、必要な知識を網羅的に記載しています。

また、そのためにどのような研修をどのレベルで行うかも職種別に説明しているので、社内研修計画の参考にもなると思います。分野としてテクノロジー(技術論)、メソドロジー(方法論)、プロジェクトマネジメント、ビジネス知識、個人力(コミュニケーション、ファシリテーション等)の5つに分かれていて、各分野・レベルに応じた研修が実施できるようになっています。

ITSS+

最近ニーズの高い、データサイエンス、アジャイル、IoT、セキュリティに対してまとめたITSS+もできています。ITSSの補完的な位置づけ(ITSS対象者の学び直しの指針、スキル強化)ですが、内容を見ると改めてITの範囲の広さを実感しました。

ITSSとIT資格の関係

さて、このスキルマップとIT資格の関係ですが、ITSSの各専門分野とレベルに応じた対応付けを行ったマップが公開されています。下記サイトからダウンロードできます。興味のある方は見てください。

◆公開ドキュメント一覧 | スキル標準ユーザー協会
https://www.ssug.jp/docs/

この対応付けのいいところは、国家資格である情報処理技術者試験以外の民間資格も含めて、レベル対応ができている点です。

今後紹介する民間資格は、国家資格よりもたくさんいろいろな分野に分かれてあるのですが、おおよその難易度がわかるのがとても便利ですし、その分野のどの程度の知識力があるのかがわかるので、システム開発を発注する際に開発会社にメンバーの資格取得を提示してもらうとその技術レベルが図りやすいです。

ちなみに情報処理技術者試験は、基本情報技術者がレベル2、応用情報技術者がレベル3、ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト等の高度情報処理技術者がレベル4になっています。ちなみに以前はシステムアナリスト(現ITストラテジスト)、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者はレベル5だったのですが、4に統一されました。

次回以降は、このマップを参考に民間資格を紹介します。

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