IT系資格について(その10)

今回もIT系資格について紹介します。今回は、民間資格のうち、Linuxとその関連技術に関する資格についてお話しします。

Linuxとは

「えっと、Linuxって何?」という方も少なくないと思いますので、まずはその解説からすると、WindowsのようなOSの一つで、ソフトウェアとハードウェアのつなぐ役割を担っています。みなさんがもし、Androidスマホを使っているのであれば、このAndroidもLinuxをもとに開発されているといわれるとピンときやすいかもしれませんね。

このLinuxは、みなさんが使っているメールのサーバーや自社のサイトを動かすためのWebサーバーが動いているOS(基本ソフト)として使われていることが多いです。縁の下の力持ち的な存在なので、ピンとこない方が多いかもしれませんが、ほぼ誰もがお世話になっている基本ソフトです。Linuxの特徴として、無料であることオープンソース(作っている中身が見れる)ことです。このおかげでいろいろな特徴を持った仕組みが作れるのです。

LPICとLinuxC

さて、当然、Linuxを上手に使いこなせると便利なのはいうまでもありません。そのための資格があります。それがLPICです。正確に言うとLPICというカナダに本部がある世界的な組織が認定する資格がLPICです。レベルが1から3まであり、そのままITSSのレベル1から3に該当してます。

ここから少し困った話があります。実は上記の資格試験はLPI日本支部が担っているのですが、LPI-Japanという組織も同様の資格体系をもっています。それが、LinuxCという資格で、レベル1から3も同じ、内容も似通っています。違いはこちらは日本独自ということです。

2018年より前は、LPI-JapanがLPICのみを行っていたのですが、諸事情で、LPI日本支部ができて、そちらに運営が移管され、LinuxCが誕生したといった経緯があります。どちらを受けるか悩ましいところですが、IT業界ではLPICの認知度が高いようです。日本向けという点ではLinuxCがいいといった感じです。

OSS-DB、HTML5、OPCEL、ACCEL

LPI-Japanはこれ以外にも関連資格がいくつかあります。OSS-DB、HTML5、OPCEL、ACCELです。

OSS-DBは、オープンソースソフトウェアの「PostgreSQL」というデータベースソフトの資格試験です。Silver(レベル2)とGold(レベル3)があります。

HTML5は、HTML5だけでなく、CSS3、JavaScriptといったWebサイト、つまりホームページを作成するための必要な技術的知識を認定する資格です。こちらはレベル1とレベル2があり、ITSSのレベル2とレベル3になっています。ホームページを技術的にきちんと理解して編集したいという方向けの資格です。

ちなみにHTML5という仕様は2021年に廃止され、HTML Living Standardというものに変わっています。仕様は変わっていないのですが、管理団体がW3CからWHATWGに移行したためです。この辺りも素人にはわかりづらいですね。

あと、OPCEL(オプセル)はOpenStackというクラウド基盤ソフトウェアの資格、ACCEL(アクセル)はこちらもApache CloudStackというクラウド基盤ソフトウェアの資格で、ITSSのレベル3ですが、専門的すぎるので、あるということだけ紹介します。

LPICやLinuxC、OSS-DB、HTML5の各資格は5年間で有意性というものがあります。合格後5年たつと、以前合格したけど、最新技術を知っているわけではないとの状態になるということです。資格自体が失効するのではないのですが、定期的に受験して、自分の実力を維持してくださいといった意図があるようです。

Android技術者認定

また、IT職業能力支援機構というところがAndroidの技術者認定試験を行っています。こちらはアプリケーションとプラットフォームの2つの種類がベーシックとプロフェッショナルの2つのレベルで認定試験があります。ベーシックはITSSのレベル2です(プロフェッショナルのレベルは未定義)。こちらも開発者向けの資格なので、あることだけ紹介します。

今回紹介した資格は、より深くITを知りたい人にはお勧めしますが、一般的には少しハードルが高いので、ふ~ん、こんなのがあるんだと知っておくだけでもOKだと思います。

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