建設系資格について(その8)

今回も建設系資格について紹介します。

前回は測量士や宅地建物取扱士、労働安全コンサルタント等の国家資格を紹介しました。今回から公的資格について紹介します。

国家資格は国の法律に基づいて、国から委託を受けた機関が実施し、国が認定します。しかし、公的資格は、民間団体や公益法人、地方公共団体等が実施し、各省庁が認定する公的性質を帯びた資格のことを指します。

民間資格との境はあいまいで、国家資格と民間資格との中間的な存在となっています。そのために記載しているサイトによっては民間資格に分類されている場合もあるので、その点はご了承ください。

とはいっても、有用な資格は数多くあります。例えば、国土交通省が「公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格」として、「国土交通省登録資格」として登録されている資格があります。技術力等の評価として利用している公的資格と考えてよいものだと思います。(国家資格は含まれていません)

点検・診断に関する資格が中心ですが、公共工事の入札参加要件に利用されるので、取得が必須になる場合も出てくると思います。全部で328資格もあります。また、経営審査事項等で評価点になる公的資格もあります。

今回はこれらの資格をすべて紹介するわけにはいかないので、その中でも特に知名度が高い(日経専門紙等で有用とされたもしくは人気のある)資格を中心に紹介していきます。

まずは、入札資格に必須の経営審査事項で、加点評価となる公的資格として、建設業経理士(以前は建設業経理事務士と呼ばれていた)があります。1級から4級までありますが、1級は公認会計士と同じ点数、2級は0.4と評価されます。(正確には資格取得後に登録した登録建設業計理士が対象)

建設業ならではの勘定科目やJVを含む建設業の特徴的な会計処理を行うために必要な資格で、経理事務の作業に役立つことから、公共工事に関与しない建設会社でも有用だと思います。

また、建設会社の事務系の方が取得できる公的資格としても人気があります。事務系の方で資格取得を考えているかたには最初に検討していただきたい資格です。

次に建設コンサルタント(主に設計・監理を行う企業)で人事評価や資格手当の対象となっているシビルコンサルティングマネージャーです。Registered Civil Engineering Consulting Managerを略してRCCMと呼ばれるほうが多いようです。

公共工事の設計・監査で求められることが多く、小さな地方公共団体のように土木建築の専門家がいない発注者の代わりに現場の監査を行う役割を担います。

22部門に分かれており、技術士の建設、上下水道、農業、森林等部門のうち、建設業にかかわりの深い専門科目に対応しています。受験資格に院卒で5年、大卒で7年以上の実務経験が必要であり、試験にも長文の記述が必要なものがあり、技術士ほどは高くないものの難易度はそれなりに高いです。

次は、土木学会認定土木技術者です。これは2001年から始まった資格で土木分野全般の専門的能力を有する技術者の評価を行うとして、2級から1級、上級、特別上級の4段階あります。2級は誰でも受けることができますが、上級・1級は実務経験がそれぞれ12年、7年必要です。さらに特別上級は17年の実務経験と上級の資格取得が必要です。

技術士やRCCM資格保有者は一部試験を免除されますが、記述試験と別に口頭試験があります。(技術士も口頭試験がありますが、RCCMはありません。)

分野もクラスによって、異なりますが10から12に分かれています。ただし、このうち、国土交通省登録資格に該当するのは一部の分野なので、注意してください。

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