引き続き、パソコンの選び方を紹介します。前回同様、インターフェイス(他の機器との接続)に関してです。
前回は音声関連でした。今回は少し脱線してレガシー端子のお話しをします。
レガシー端子とはレガシーポートともよばれる最近使われなくなったインターフェイスのことです。特にUSBに変わった端子が多いです。機能的に変わっているわけではないので、レガシー端子を有した古い周辺機器は変換ケーブルを使ってUSB接続することができます。
ただし、新しいOSにはドライバーと呼ばれるソフトがないことが多く結果的に古いOSで動かす必要があります。
5.レガシー端子
・IEEE1284(パラレルポート):プリンタ用に使われていた端子です。セントロニクス社が開発したことからセントロニクスポートと呼ばれることもありました。端子形状はDB-25と呼ばれる少し大きめの台形に25の穴が開いたものです。2000年代にはUSBに代わりました。
・PS/2:キーボード、マウス用の端子です。もともとIBMのPS/2と呼ばれたパソコンについていたもののための呼び名です。まだ、一部のパソコンではついているものもありますが、2000年代からUSBに代わり、今ではほとんど置き換えられました。端子形状はミニDIN6Pコネクタと呼ばれる丸い形に6つの穴が開いているもので、緑色がマウス、紫色がキーボードといった区別がされています。実はなくならない理由として、USBキーボードは7つ以上のキーを同時押せないのですが、PS/2キーボードは押せるのです。どうもゲームで必要な場合があるようです。
・IEEE1394:主にビデオカメラ用に使われていた端子です。FireWire(アップル)、i.LINK(ソニー)、DV端子など呼び名がいろいろあるのも特徴です。端子形状は変則的な6角形の6PINと四角の4PINがありますが、パソコン側は6PINです。複数企業の特許が絡んでいることから手続きが難しかったこともあり、USBに代わっていることが増えています。ビデオカメラがminiDVテープからハードディスク、SDカードに記録媒体が変わった時期(2010年頃)と大体同じぐらいの時期です。
・MIDIポート:電子楽器用の端子です。電子機器側にはこの端子がついている機器はまだたくさんあるのでレガシーといっていいかどうかわかりませんが、最近はソフトウェアで音源を実現したり、USBとMIDIの変換ケーブルを使うことができるので、パソコン側にMIDIポートをつける必要がなくなってきています。端子形状はミニDIN5Pコネクタと呼ばれる丸い形に5つの穴が開いているものですが、ゲームポートと呼ばれるDA-15(台形状で15の穴)のタイプもあります。ちなみにこのゲームポートもジョイスティックと呼ばれるゲームコントローラーを接続できる端子でしたがMIDIと同じようにUSBに代わり、レガシーになっています。
・SCSI:スキャナーや外付ハードディスクをつけるのに利用してい端子です。このSCSIは規格もSCSI-1から2,Ultra SCSI 160 320といろいろあり、端子形状もD-SUB25PIN、アンフェノールフルピッチ50PIN、ハーフピッチ50PINと25本か50本の針が突き出ているものと中央に細長く端子が固まっているものとがあるなどいろいろあって、ケーブルもそれにあったものを準備する必要がありました。USB2.0が出始めたころ(2000-2002)に転送スピードがUSBのほうが上になり一気に置き換わりました。
・RS-232C:モデム端子として使われることが多かったです。端子形状はD-SUB25PINとD-SUB9PINの2種類で9PINが主流でした。こちらもモデムの直接接続からLANケーブルを介した接続になったことで、なくなってきましたが、今でもデータ端末用として残っているも のもあります。
これ以外にもRGB21ピンやApple Desktop Busといった特定の機種に搭載されていた端子もありましたが、HDMIやUSBに置き換わっています。改めてUSBのすごさを実感しました。