バリアフリーに関する法令および基準

今回は、バリアフリーに関する法律および基準のお話しをします。

ご存知だと思いますが「バリアフリー」とは障害者を含む高齢者等の社会的弱者が、生活の支障となる物理的・精神的な障害を取り除いた状態・施策のことを指します。

設備やシステムが社会的弱者にも対応可能なことを「アクセシビリティ(利用しやすさ)」といいますが「バリアフリー」はこの建物版といったところでしょうか。ちなみにこれをさらに進めて老若男女誰でも利用しやすい設計を「ユニバーサルデザイン」といい、障害をもつ者ともたない者とが平等に生活する社会を実現させることを「ノーマライゼーション」といいます。

2020年の東京オリンピックを契機に多くの国内外の来訪者が見込まれます。これを機に新築だけでなく、既存施設のバリアフリー化も進めようとバリアフリー設計のガイドラインが改訂されました。

今回はその紹介ついでにバリアフリーに関する関連法令も紹介します。少子高齢化に伴う労働人口の減少や社会的弱者の増加に対して、バリアフリー対策は不可欠です。建設業に携わる方はもちろん、それ以外の方でも自社の環境改善に役立てていただければ幸いです。

◆高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」を改正
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000658.html

今回の改正概要が書かれています。ページの最後のほうにある(別紙)のPDF資料がわかりやすいです。宿泊施設の一般客室でのバリアフリー化と多機能トイレのバリアフリー化を中心により使いやすいガイドラインになりました。

◆建築物におけるバリアフリーについて
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutakukentiku_house_fr_000049.html

建築設計標準(平成28年度改正版)の本文がのっているページです。ガイドラインだけあって、イラストが多く掲載されており、前回のものより事例集も含めて大幅に内容が増えました。特に事例集は建設業の方でない人でもわかりやすい内容になっています。

◆バリアフリー 国土交通省
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/

高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律いわゆるバリアフリー法に関連する国土交通省のページです。もともと平成6年に施行された「高齢者、身体障害 者等が円 滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(旧ハートビル法)」と平成12年に施行された「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(旧交通バリアフリー法)」が統合されたものが「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)」です。平成18年より施行されています。

◆ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tokyo2020_suishin_honbu/ud2020kkkaigi/index.html

こちらは首相官邸の政策会議の一つのページですが、会議資料はバリアフリーの話が掲載されています。この前の会議体になるユニバーサルデザイン2020関係府省等連絡会議はこのページの下のほうの関連リンクにあり、そちらの会議配布資料も参考になります。

◆障害を理由とする差別の解消の推進
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai.html

こちらは内閣府のページです。平成28年から施行されている「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」の内容が記載されています。こちらは建築物ではなく、それを提供する人の合理的配慮を法律にしたものですが、こちらも合わせてみておくことをお勧めします。

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